就職活動がある程度進むとやってくるのが「面接ラッシュ」。
面接の予定でスケジュール帳がいっぱいになり、持っていく書類や面接の質問への準備などに大忙しですよね。
ですが、面接の準備ばかりに気をとられていて、当日面接場所についてから困った!なんていう先輩の声も多いんです。
実は、多くの企業がビルやオフィスの入口に受付を置いています。
これは来客対応をスムーズにするための工夫ですが、就活生にとってはかなりハードルが高いはず。
はじめて企業を訪れた就活生が、受付の仕方に戸惑ってしまうのも無理はありません。
そこで、この記事では受付で「面接を受けに来ました」と伝える正しい方法を紹介します。
受付の形式は企業によってさまざまですが、今回はそれぞれのシチュエーションごとにテンプレートを用意しています。
面接の日程が近づいている人も、今まさに企業の面接に向かっている人も、ぜひ参考にしてみてください。
会社や受付への到着時間
そもそも会社や受付へは、どのくらい前に到着しているべきなのでしょうか?
なんとなく早いほうがいいんだろうな...とは思っていても、早すぎるのも迷惑をかける気がしますよね。
受付について説明する前に、まずは適切な到着時間についてお話します。
10~15分前には会社に到着する
まず、会社やオフィスビルへは10〜15分前に到着するようにしましょう。
10分〜15分あれば、オフィスビルの中で身だしなみを整えたり、トイレを済ませておくこともできます。
しかし、早く着いたからといって、直接企業のフロアまで進んでしまうのはNG。
当然面接相手は社会人であり、多忙な身です。
あまりに早くに到着を知らせてしまうと、前の用事が終わっていないなど、相手にとって不都合になってしまう可能性があります。
また、相手企業が自社ビルを構えているようであれば、場所を確認できたとしても、10〜15分前になるまで建物内には入らないようにしましょう。
もし受付まで時間が余ってしまったら、身だしなみを整える、心を落ち着かせる、質問の回答を見直すといった時間にするとよいですよ。
受付を訪問するのは10分を少し切った頃が理想
受付を訪問するのは、10分前を少し切った7〜8分前がよいでしょう。
10〜15分前では先ほども言った通り相手の仕事の邪魔になってしまいかねません。
かといって面接時間ぎりぎりに受付を済ませてしまうと、取り次ぎに時間がかかってしまった際に約束の時間に遅刻してしまうリスクがあります。
受付は遅すぎず早すぎず、7〜8分前を目安に訪れるようにしてください。
時間に遅れそうな場合は必ず連絡を
言うまでもありませんが、基本的に遅刻は厳禁です。
しかし万が一、電車の遅延や道に迷って面接の時間に遅れそうな場合は、必ず企業に電話で連絡を入れてください。
たとえ1分や2分の遅刻でも、その対応にはあなたの誠実さが表れます。
間に合いそうにないと思った時点で、すぐに連絡をするようにしましょう。
その際、遅刻の理由もしっかり伝え、何分ごろに到着するのかを忘れずに提示してください。
メールでは担当者が気付かない可能性もあるので、連絡は必ず電話で行うようにしてくださいね。
受付前に確認したい4つのポイント
いよいよ会社に到着して、受付をする...という場面になると、なんだかとても緊張してしまいますよね。
いてもたってもいられず、そわそわしながら受付にまっすぐ向かってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、受付を済ませてしまえば、そこからは面接官のもとへ通され、そのまま面接が始まってしまう場合も少なくありません。
そのため、お手洗いや身だしなみのチェックなどは、受付へ向かう前に済ませておく必要があります。
ここでは、面接本番が始まる前に確認しておくべきポイントをまとめました。
面接当日は緊張していると思いますが、まずは落ち着いて、自分のコンディションを整えましょう。
お手洗いを済ませておく
まず、お手洗いは必ず済ませておいてください。
受付から面接終了までは、長くて1時間以上かかるケースもあります。
自分では大丈夫だと思っていても、面接中などに突然行きたくなってしまう可能性も。
企業のオフィスにもお手洗いはありますが、そこで他の社員や役員の人と鉢合わせしてしまう可能性もあるため、使用は控えたほうが賢明です。
可能な限り、駅や喫茶店などでお手洗いを済ませておきましょう。
身だしなみをチェックする
身だしなみのチェックは必ずおこなってください。
男性であれば、ネクタイが曲がっていないか、シャツの第一ボタンが留まっているか。
女性であれば、お辞儀をした時に髪が落ちてこないか、スカートが回っていないか。
また男女に共通して、スーツにほこりがついていないか、寝グセがないかも忘れずにチェックしてください。
受付を済ませた後、ゆっくり身だしなみを確認するタイミングはほとんどありません。
お手洗いや手持ちの鏡などで細部までしっかり確認し、整えてから受付に向かいましょう。
携帯電話の電源はオフに
携帯電話の電源は切るか、マナーモードにしておきましょう。
面接中に着信音や通知音がなると、「非常識な人」という印象を与えてしまう可能性があります。
よほど緊急かつ重要な連絡が来る場合をのぞき、必ず音が鳴らないように電源オフ、もしくはマナーモードに設定をしてください。
提出書類を準備しておく
履歴書やエントリーシートなど、面接で提出する書類がある場合は、それらの書類の準備もしておきましょう。
受付や面接官の目の前で提出書類を探していたり、慌ただしくカバンを漁っている様子は決して見栄えがよいとは言えません。
封筒やファイルをカバンの取り出しやすい位置に移動させ、すぐに提出できるように整えておくと、やりとりがスムーズになります。
また提出書類を整理する際、持ってくる書類はすべてそろっているか、担当者や社名を間違えて覚えてしまっていないかもあわせて確認しておくとよいでしょう。
【テンプレ付き】受付での用件の伝え方
さて、しっかり準備ができたら、いよいよ受付を訪問します。
就活生が戸惑ってしまう受付ですが、大切なのは自分が面接を受けに来た学生であると丁寧に伝えること。
ですが、受付の人を前になんと言っていいかわからなかったり、インターホン式の受付に戸惑ってしまうことも多いはず。
ここでは、受付に人がいる場合、インターホン受付の場合、受付がそもそもない場合の3つのパターンの対応を紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
受付に人がいた場合
有人受付の場合は、受付の人に「おはようございます」「こんにちは」など挨拶をしてから話し始めましょう。
相手の目をしっかりと見て、明るくはきはきした話し方を心がけてください。
用件はだらだらと話さず、要点をまとめて簡潔に話すのがベストです。
このとき、
- 自分の名前
- 訪問の目的とアポイントをとった時間
- 相手の名前
の3点は必ず伝えるようにしてください。
以下テンプレート
こんにちは。お忙しいところ失礼いたします。
本日14時からの採用面接に参りました〇〇〇〇(フルネーム)と申します。
恐れ入りますが、人事部の□□様にお取り次ぎいただけますでしょうか。
企業のフロアに行けば受付があるので、そこで取り次いでもらうようにしましょう。ただし、いくつもの会社が入っているビルの総合受付で、相手に取り次いでもらうのはNG。
インターホン受付の場合
受付やエントランスに人がおらず、インターホンや内線を受付代わりにしている企業もあります。
基本的にインターホン式の受付のパターンは2つです。
- 受話器を取るだけで呼び出し音がなり、相手企業の人に繋がる場合
- 受話器を取ってから担当部署の番号を押して、相手を呼び出す場合
どちらのパターンなのかは、インターホンの周辺に案内があるはずですので、しっかり確認してください。
また、面接の詳細案内のメールに受け付け手順が書かれている場合もあるので、その場合はしっかり詳細を読んだ上で、その手順に従いましょう。
相手に繋がったら、有人の受付と同様、
- 自分の名前
- 訪問の目的とアポイントをとった時間
- 相手の名前
を伝えてください。
以下テンプレート
お忙しいところ失礼いたします。
本日14時からの採用面接に参りました〇〇〇〇(フルネーム)と申します。
恐れ入りますが、人事部の□□様をお願いできますでしょうか。
企業やオフィスの規模がそこまで大きくない場合、そもそも受付が存在しないケースもあります。受付がない場合
その際は、受付担当の人がいないため、入口付近に座っている人に取り次いでもらうことになるでしょう。
しかし受付がない以上、その人はたまたま入口が近いだけで、何らかの仕事をしている場合がほとんどです。
相手が仕事を中断してあなたの対応をしてくれていることに、しっかり感謝の気持ちをもって接しましょう。
以下テンプレート
お仕事中に恐れ入ります。
採用面接に参りました。〇〇〇〇(フルネーム)と申します。
人事部の□□様と14時のお約束です。 お手数ですがお取り次ぎいただけますでしょうか。
受付を済ませたら、いよいよ面接です。控室から入室するまでのマナー
いざオフィスで話をするとなると、かなり緊張しますよね。
しかし、企業や面接担当者の都合によっては、直接面接会場には通されず、控室や応接スペースなどで待機する場合もあります。
面接がまだ始まっていないとはいえ、ここでのあなたの態度も企業は当然見ています。
面接前から悪い印象を持たれてしまわないよう、控室でのマナーも徹底しなければなりません。
ここでは、待機中に注意するべき点を3つ紹介します。
静かに座って待つ
まずは何よりも静かに座って待つことです。
当たり前だと思うかもしれませんが、控室は相手企業のオフィスの一部。話し声が迷惑になってしまう可能性もあります。
また、スマホをいじったり、どこかへ電話をかけたり、落ち着きなくきょろきょろと辺りを見回したりといった行為も控えるようにしましょう。
面接までの時間は、深呼吸をしたり、面接回答の見直しをしたりするのがベターです。
呼ばれたら返事とお礼を忘れずに
控室へ担当の人が呼びに来たら、必ず返事をしましょう。
たとえ面接官ではなくとも、あなたの言動はしっかり見ています。
名前を呼ばれたらしっかり「はい」と返事をし、案内されたら「ありがとうございます」と感謝の意を述べましょう。
ここできちんとした挨拶やお礼を言うことができれば、誠実な印象を与えることができるはずです。
入室時は丁寧な所作を心がける
面接会場に通されたら、いよいよノックをして中に入ります。
緊張すると思いますが、1つ1つの所作はゆっくりと、丁寧さを意識してください。
企業もあなたが緊張していることは想定済みですから、必要以上に気を張る必要はないでしょう。
面接でのマナーは以下の記事にまとめてありますので、是非参考にしてみてください。
面接前に知っておきたい受付に関する質問
ここまで、企業に到着してから面接が始まるまでの流れを紹介してきました。
ただ、
なんて悩みもあるはず。
ここでは、就活生が困ってしまいがちな3つのシチュエーションを紹介します。
担当者がわからない場合は何と言えばいい?
メールを見ても「採用担当」「人事部」などの記載だけで、個人名がわからない場合もありますよね。
そう言った場合には、「〇〇さん」といった個人名の代わりに「採用ご担当者様」と伝えればOK。
採用担当や人事部の人はあなたの訪問を知っているわけですから、受付を通して
と問題なく伝わります。
メールや電話のメモを見返してもどこにも個人名が記載されていない場合は、
で構いません。
冬場のコートはいつ脱げばいいの?
冬場の面接や、秋や春の寒い日はコートを着用しますよね。
実はこのコートを脱ぐタイミングは就活生が困るポイントの1つなのです。
コートを着たまま面接を受けるわけにもいきませんが、受付を済ませてしまえば、あとは面接会場へそのまま案内される...という場合もあります。
立ち止まってコートを脱いだり、ゆっくり畳んでいる時間はないでしょう。
したがって、コートは受付を済ませる前、エントランスで脱いでおくべきです。
その際、エントランスを通る人の邪魔にならないように、周囲には気を配ってください。
辺りを見回して人通りがないことを確認し、端によってからコートを脱いで畳むようにしましょう。
畳んだコートはカバンを持つ手と反対の腕にかけておくと、見栄えがキレイです。
面接から帰るときも受付に挨拶するべき?
帰り際、人がいる受付の前を通るときは少し気まずくなってしまいますよね。
真面目な人ほど、こんな風に悩んでしまうのではないでしょうか。
結論から言うと、帰り際の挨拶はするべきです。
といっても、特別何か話をする必要はありません。
と明るくお礼を言い、会釈をすれば充分です。
企業の建物から出るまでは見られている意識を強く持ち、誠実で丁寧な態度を心がけましょう。
まとめ:受付に行く前にしっかり準備をするべき
面接の回答や書類の準備に気を取られてしまいがちですが、相手企業を訪問するうえでのマナーの確認も就活では必須事項です。
企業の建物へは10~15分間に到着し、7~8分前を目安に受付を済ませるようにしましょう。
受付前には、
- お手洗いを済ませる
- 身だしなみを確認する
- 携帯の電源を切る
- 提出書類の準備をする
以上の4点を忘れないようにしましょう。
訪問マナーの勉強はついつい後回しにしてしまいがちですが、いざ当日になって受付でうろたえていては、大事な面接の前にペースを乱され、面接で実力が発揮できないかもしれません。
面接は受付から既に始まっています。
訪問時のマナーをしっかり確認して、後悔のない面接にしてください。