就活も終盤になると、選考が早く終わった企業から内定が出始めるかと思います。
自分なりに魅力を感じて選考に進んでいたものの、実際にいくつかの企業から内定が出ると、どこの企業に入社しようか迷ってしまいますよね。
ですが言わずもがな、あなたが入社できる企業は1社のみです。
あなたが入社を決めた企業以外からの内定は、当然断らなくてはなりません。
頭ではわかっていても、
という就活生も多いのではないでしょうか。
内定辞退についての詳しい話は企業に対しても聞きにくいですし、なんとなく言うタイミングがわからずにずるずると引き延ばしてしまいがち。
この記事では、内定辞退をいつまでに伝えなければならないのか、またその際の注意点について、細かく解説しています。
内定辞退はあなたが自分の理想を実現するために必要なことですが、せっかくあなたを評価してくれた企業からの申し出を断る以上、最低限の礼儀は持っていたいですよね。
具体的にどういった対応がベストなのか、この記事を読んでしっかりチェックしておいてください!
内定辞退をしたいとき
就活を終えて、「ここに入社しよう!」と決めたら、当然ながら他の会社の内定は断る必要があります。
では、内定を辞退しようと決めたら、いつまでに、何をすればよいのでしょうか。
ここでは、内定辞退をする際の基本的な流れについてお話しします。
内定辞退のリミットは入社2週間前
内定辞退は、いつまでに企業に伝えればよいのでしょうか。
そこが明確にわからず、「なんとなく言いづらいから」とずるずる引き延ばしてしまっている人もいると思います。
結論からお伝えすると、法律上の内定辞退のリミットは入社の2週間前です。
ですから4月1日が入社日の会社の場合、3月の下旬までに伝えれば、手続き上は問題なく辞退することができます。
ですが、この入社2週間前という期限はあくまでもリミットです。
もしその時までに心が決まっているようなら、なるべく早く連絡をするのがよいでしょう。
連絡は早ければ早いほどよい
先ほどはリミットの話をしましたが、辞退の連絡は早ければ早いほどよいです。
内定を出してから、企業はあなたの入社に向けて着々と準備を進めています。
ずっと前から決めていたにもかかわらず、ずるずると引き延ばしてしまうのは、あなたの入社を歓迎してくれている会社に対して不誠実ですし、何より迷惑がかかってしまいます。
内定をもらってから2,3日以内に答えを出して、すぐに自分の決断を連絡するのがベスト。
その際はメールではなく、電話で連絡するようにしてください。
また多少の猶予をもらうぶんには問題ありませんが、もし1週間以上考えたいようなら、一度保留という形にしてもらうのがよいでしょう。
1番してはいけないのは、まだ決められないからと連絡を先延ばしにしてしまうこと。
あなたのためにも、そして相手の企業のためにも、内定の承諾・辞退・保留の決断は早めにしましょう。
内定承諾後の辞退はしっかりと謝罪を
もしあなたが一度承諾した内定を辞退したい場合は、しっかりと謝罪の言葉を伝えるようにしてください。
内定の辞退は、入社2週間前までに申告すれば、職業選択の自由が認められ、法律上罰されることはありません。
ですが、一度承諾した内定を辞退することは、一度相手に伝えた言葉を自分の都合で覆すという行為です。
あなたの能力や人柄に魅力を感じて採用してくれた企業に対する誠意として、必ず謝罪の言葉は伝えるようにしましょう。
誠実な態度で辞退の旨を伝えれば、きっとあなたの決断を応援してくれるはずですよ!
電話で内定辞退を伝える際の注意点
先ほど、内定辞退の際は企業に電話で連絡するとお伝えしましたよね。
ですが、企業に直接電話をするのはどうしても緊張してしまうと思います。
ここでは、企業に電話をする際に気を付けるべきポイントとともに、そのまま使える内定辞退の伝え方をお教えします。
「企業に対して失礼な言い方をしてしまわないか不安...」という人は、ぜひ使ってみてくださいね。
時間帯や場所には注意が必要
まず、電話をかける時間帯や場所に気を付けましょう。
まず時間帯についてですが、始業時間、終業時間付近は忙しい時間帯です。
始業・終業時間は企業によって異なりますが、その前後1時間は避けるのがよいでしょう。
また、担当者の離席が予想される昼食の時間帯も避けてください。
午前11時から正午、もしくは午後1時から午後4時頃までにかけるのが理想です。
場所については、なるべく室内で、電波状況のよいところでかけるようにしましょう。
外出先だと周囲の人の声や交通機関、店内アナウンスなどの雑音が入って聞き取りづらくなってしまいますし、電波の影響で電話が切れてしまうと、またかけ直して、取り次いでもらって...という手間がかかってしまいます。
早く連絡をすることはとても大切ですが、相手の都合も考えて、なるべく相手側に負担のない時間帯や場所を選ぶのがベターです。
謝罪の言葉と感謝の言葉は忘れずに
電話で内定辞退を伝える際には、謝罪と感謝の言葉を入れると丁寧です。
「内定をいただき、ありがとうございました」
「入社することができず、申し訳ありません」
この2つの言葉を伝えるだけで、あなたの誠実さはしっかり伝わります。
反対に、この2つを伝えずに「内定を辞退したい」という連絡だけだと、企業側の印象はあまりよくありませんよね。
せっかくご縁があった企業ですから、最後まで誠実な対応を心がけましょう。
【そのまま使える】内定辞退の電話の例
それでは、いよいよ実際に電話をかけましょう。
といっても、どんな風に伝えればいいかよくわかりませんよね。
そんな人のために、ここからは内定辞退の電話をかける際のトークスクリプトをご紹介します。
あくまで1つの例ですが、「いざ電話をかけたら頭が真っ白になってしまう!」「できるだけ丁寧に自分の思いを伝えたい」という人は、ぜひ参考にしてみてください。
お世話になっております。
先日内定のご連絡をいただきました、〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
恐れ入りますが、採用担当の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか?
〈電話を代わってもらう〉
お忙しいところ失礼いたします。
先日内定のご連絡をいただきました、〇〇大学〇〇学部の〇〇と申します。
ただ今、お時間をいただいてもよろしいでしょうか。
〈相手が了承した場合〉
ありがとうございます。
先日は内定をいただきまして、ありがとうございました。
大変申し訳ないのですが、検討の結果、御社の内定を辞退させて頂きたく本日ご連絡を差し上げました。
選考が進んでいた他社から内定を頂き、自分の適性やビジョンを考えた結果、このような決断となりました。
〇〇様には説明会時からお世話になっていたにもかかわらず、大変申し訳なく思っております。
ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。何卒よろしくお願い申し上げます。
お忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございました。
失礼いたします。
内定辞退を伝えるメールのポイント
ここまで、連絡は必ず電話でとお伝えしてきました。
しかし相手の都合によっては、タイミングが合わなかったり、そもそも電話が繋がらなかったりする場合もあります。
そういった場合は、電話の代わりにメールで内定辞退を伝えましょう。
また、電話で連絡をした場合でも、その後に改めてメールを送ると親切です。
ここでは、内定辞退に関するメールを作成する際の注意点を紹介します。
「メールで何を書いていいのかわからない...」という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
わかりやすさを最優先に
メールを作成するにあたって、1番気を付けて欲しいのは内容のわかりやすさです。
内容をわかりやすくするために、件名は不可欠です。
メールの件名は以下を例に、なるべく簡潔なものにしましょう。
社会人は、1日に何十通ものメールを受け取ることも珍しくありません。
そんな中で、あなたのメールが埋もれてしまわないように、件名にはしっかりと「内定辞退」の文字を入れましょう。
また本文に関しても、内容はなるべくシンプルに伝えることを心がけてください。
なんとなく言いづらくて曖昧な言い方をしてしまったり、謝罪や感謝の文があまりにも長くなってしまったりすると、かえって読む側の負担になってしまいます。
内容には必ず「内定を辞退する」と明記し、本文はなるべく短く、簡潔な内容を意識してください。
失礼な表現がないように確認を
また、当然のことではありますが、メールの文中に失礼な表現がないか、しっかりチェックしてください。
特に、社名や担当者の名前に間違いがないか、敬語は正しく使えているかの確認は必須です。
敬語については、少しでも自信がなければしっかり調べるようにしましょう。
あまりにも大仰な敬語は慇懃無礼な印象を与えかねませんが、全く使わないのも悪印象です。
ビジネスの場面においてふさわしい敬語を使うようにしてください。
相手を敬う尊敬語と、自分がへりくだる謙譲語は混同してしまう人も多いので要注意です。
【そのまま使える】内定辞退のメールの例
「気を付けることがたくさんあって難しそう...」と思った人もいるのではないでしょうか。
そんな人のために、ここでは内定辞退のメールの例文をご紹介します。
これまでに述べた注意点をすべてクリアした内容になっていますので、ぜひ自分の名前や大学名を記入のうえ、使ってみてください。
○○株式会社
人事部 ○○様 お世話になっております。 先日内定通知をいただきました、○○大学○○学部の○○と申します。 先ほどお電話を差しあげたのですが、ご多忙中のようでしたのでメールにて失礼いたします。 改めまして、この度は内定を頂き、誠にありがとうございました。 うれしいお知らせを頂いたところ大変恐縮なのですが、検討の結果、入社を辞退させていただきたくご連絡申し上げました。 貴重なお時間を割いて選考していただいたにもかかわらず、このような結果になり大変心苦しく感じています。 ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。 また本来なら直接お会いして申し上げるべきところを、このような形でのご連絡となりますことを何卒ご容赦頂きたくお願い申し上げます。 ○○様をはじめ、選考に関わってくださった皆様には心より感謝しております。 末筆になりましたが、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。 ──────────────────────── (氏名) ○○大学○○学部○○学科 電話:000-0000-0000 メール:00000@00.com ────────────────────────── |
内定辞退ではなく保留もアリ
内定辞退についてのお話をしてきましたが、「ここの会社の内定は辞退しよう」と決断するのも難しいですよね。
特に、入社したいと思っている企業が複数ある場合は、2,3日では決められないこともあると思います。
そんな時は、企業に直接「内定の承諾・辞退を保留にしてほしい」とお願いするのも1つの手です。
ここでは、内定を保留する場合についてお話ししていきます。
内定を保留した方がよい場合
まず、内定を保留するべき場合とは、どういったシチュエーションなのでしょうか。
内定を保留したほうがよいケースとしては、主に2つ挙げられます。
1つめが、入社する企業を迷っている場合。
就職はあなたの人生を大きく左右するライフイベントですから、よく考えるに越したことはありません。
企業の期限に間に合わせようとするあまり軽率な決断をしてしまっては、一生ものの後悔になります。
「まだ御社に入社する決断ができていません」と正直に伝え、内定承諾の猶予をもらいましょう。
2つめが、他企業の選考結果を待っている場合です。
たとえば先に第二志望の企業から内定が出て、第一志望の選考結果を待ってから回答をしたい場合も、内定を保留にしてもらうのがよいでしょう。
第一志望に合格するかわからないから、と承諾してしまうと、後から内定承諾を取り消すという、より企業側に迷惑をかける結果になってしまいます。
「他企業の選考結果を待ってから決断したい」と素直に伝え、保留にしてもらうのがベストです。
必ず期限を設定する
内定の保留は、後悔のない入社をするためには必要なことです。
ですが、企業側にはあなたを社員として受け入れるための準備がありますから、いつまで保留にしたいのかを知りたいのが本音です。
ですから、内定を保留にしたい場合は、必ず期限を伝えるようにしましょう。
「3週間ほどお時間をいただきたいです」
「6月中には決断をしたいと考えております」
など、明確な期限を提示されれば、企業側は安心してあなたの決断を待つことができます。
保留してもらうことは決して悪いことではありませんが、基本的に内定の承諾・辞退の決断は2,3日以内がベストです。
保留は企業の厚意であることをしっかりと理解しましょう。
志望意欲があることを忘れず伝える
内定を保留にすることは決して悪いことではありませんが、伝え方を間違うと「この学生はあまり志望度が高くないんだな」と思われてしまう恐れがあります。
ですが辞退ではなく保留にする以上、あなたの中には多少なりとも「この会社に入りたい」という思いがあるはずです。
保留をお願いする際には、保留したい理由と返事の期限をしっかりと話し、入社の意欲があることをアピールしましょう。
誠実な対応を心がければ、企業もあなたに対して悪い印象を抱くことはありません。
まとめ:内定辞退は3月まで可能。ただし、なるべく早い連絡を!
あなたが後悔のない就職をするためには、内定辞退という選択が必要になる場面も出てきます。
ですが、内定辞退はあなたの人柄や能力を評価してくれた企業の申し出を断ること。
そのため、辞退の際には誠意を持って、真摯な対応を心がけましょう。
内定辞退の連絡の期限は法律上入社の2週間前ですが、決断したらすぐに連絡をするのがベスト。
またその際の注意点について、この記事では以下のように解説しました。
- 辞退の連絡はなるべく早く
- 企業に連絡するときは電話でおこなう
- メールの場合は簡潔にわかりやすく
- 決断できないようなら保留する
上記4つを守って、後悔のない就職をしてくださいね。
あなたが心から望む企業で活躍できることを祈っています!