就活の「玉手箱」って何!?特徴や採用企業、攻略方法を全部教えます

「玉手箱」という言葉を聞いたことはありますか?

かの有名な浦島太郎が、竜宮城を去る際に乙姫から渡された、開けると老人になってしまう箱...ではないんです。

実は昔話とは無関係の、就活における「玉手箱」というものがあります。

「玉手箱」とは、性格テストと能力テストを合わせた適性検査のことですが、なかなか耳慣れない人も多いですよね。

この記事では、

就活生
玉手箱ってなんなの?

就活生
なにかしておくべきことはある?

など、玉手箱に関する情報や対策などをまとめました。

玉手箱について不安があるという人や、そもそも玉手箱をはじめて聞いたという人は、ぜひこの記事を読んで、参考にしてみてくださいね。

「玉手箱」とは

そもそも就活における「玉手箱」とは何なのでしょうか?

まず最初に、「玉手箱」の意味についてお話しします。

「玉手箱」とは総合職適性テスト

先ほども少しお話しした通り、「玉手箱」とは性格テストと能力テストを合わせた適性検査のことです。

コンピューター職用の検査であるCABや、証券・投資などの所謂エリート職用の検査であるGABなどを販売している人事コンサルティング会社、日本エス・エイチ・エル(SHL)が企業に提供しているのがこの「玉手箱」。

玉手箱はテストセンターでのオフライン受験と、自宅受験が可能なオンライン(WEB)テストの2種類があります。

企業はこの玉手箱を就活生に受験してもらうことで、その人の知能や性格を数値上のデータとして入手し、採用活動に活用するのです。

有名な就活のテストとしてSPIがありますが、それと同じ位置づけのものだと思ってもらって構いません。

SPIとは運営会社が異なる

では、誰もが一度は聞いたことのあるSPIと玉手箱の違いは何なのでしょうか。

結論から言うと、一番の違いは運営会社です。

玉手箱は日本エイチ・エス・エルが提供するテスト、SPIはリクルート社(リクルートマネジメントソリューションズ)が提供しています。

しかしテストの目的や、受験形式に大きな違いはありません

最近では、SPIが広く知られてきたことにより、就活生が対策を徹底してきたという理由から、あえてSPIではなく玉手箱を使うという企業も増えているようです。

このような就活用のテストはSPIや玉手箱の他にも多くの種類がありますが、実は現状最も有名なのはSPI、次に有名なのが玉手箱という位置づけにあります。

玉手箱の特徴

「玉手箱とは何ぞや」がおおむねわかったところで、次は玉手箱の特徴についてお話ししたいと思います。

まだ玉手箱についてよくわからない、という人も多いと思いますので、この部分はしっかり読んでくださいね。

各分野で統一された出題形式

玉手箱には、能力テスト3分野、性格テスト1分野の合計4分野のテストがあります。

能力テストは

  • 言語問題
  • 計数問題
  • 英語問題

の3つの分野で、学生時代の国語、数学、英語のようなテストです。

そして言語、計数問題には3種類、英語には2種類の出題方式がありますが、本番はその2〜3種類のうち1種類のみが選ばれ、企業によって組み合わせがおこなわれます。

1つの分野に1つの出題形式なので、毎回違う問題の形式に戸惑ってしまって時間が足りなかった...なんてことがありません。

1分野でずっと同じ出題形式が続くため操作に早く慣れることができる点は、玉手箱の大きな特徴であるといえます。

適性検査の問題数が多い

就活における適正検査は問題数が多いのが特徴です。

時間は企業によって異なりますが、1問1問じっくり考えたうえで最後まで回答する時間はないと思ったほうがよいでしょう。

最初の方の問題に時間をかけすぎてしまい、問題の途中でタイムアップ....なんてことも

実は珍しくありません。

入試や成績をつけるための学校のテストとは違い、就活生の適正検査では難しい問題にたくさん悩むことよりも、比較的簡単な問題に対してスピーディに正解を出すことが求められます

また、SPIなどでは回答者がでたらめに答えることを防ぐため、「誤謬率」という数値を測る場合もあるのですが、玉手箱では基本的に誤謬率を測っていません。

そのため、能力テストなどで時間がないと思った場合は、残りの問題にとにかく回答してしまうのも1つの手です。

電卓の使用は一部禁止

玉手箱において、電卓の使用は一部禁止されています。

具体的に言うと、テストセンターで受ける「C-GAB」の場合に限り、電卓は使用できません。

一方、オンラインの自宅受験の場合は電卓を使用してもよいことになっています。

これは玉手箱に限らず、他の適正検査でも同様のルールが定められている場合が多いようです。

こういった試験ではとにかく条件を同じにし、不正できない状態を作ることが第一と考えられているため、テストセンターに赴く場合は計算は筆算で行うよう指示されます。

自宅受験の場合、第三者からの監視の目がなく、使用禁止の電卓を使う人が出てくる可能性もあるため、不平等にならないよう全員に使用を許可しています。

自宅で玉手箱を受験する場合は、必ず電卓を用意しておきましょう

能力テストではどんな問題が出る?

先ほど、能力テストには3つの分野があると説明しました。

具体的には「言語」「計数」「英語」の3つです。

これまで学校などで、それぞれの科目テストを受けたことはあるかと思いますが、就活生のテストはこれまでとどう違うのか、気になりますよね。

ここからは、能力テストで実際に出題される問題がどのようなものなのか、解説していきたいと思います。

言語能力

種類 問題数 制限時間
論理的読解 全32問 15分
趣旨判定 全32問 10分
論旨把握 全10問 12分

まず最初に、言語能力テストに関してです。

これは学校教育の国語に当たります。

言語能力のテストの種類は以下の3つ。この中から1種類が選ばれ、出題されることになります。

言語能力テストの種類
  1. 論理的読解
  2. 趣旨判定
  3. 論旨把握

①の論理的読解は、いわゆる長文読解の問題です。約600字程の課題文を読み、内容に関する問題に回答します。

解答の選択肢は基本的には3択になっており、8つの文章×4問の、合計32問に15分で解答します。1分に2問以上回答する必要があるため、かなりハードな設定といえるでしょう。

②の趣旨判定については、約400から600字程の課題文を読み、内容が合っているかを判断するテストです。

論理的読解と同様こちらも3択で、合計32問という設定も同じですが、制限時間は10分と短く設定されているのが特徴です。

③の論旨把握は約1000字程の長文を読み、選択肢のなかから作者の考えに近いものを1つ選ぶという、学校教育でなじみのある問題。

問題数は10問と、論理的理解や趣旨判定に比べれば3分の1以下ですが、制限時間は12分しかないため、問題数が少ないからといって油断は禁物です。

計数能力

種類 問題数 制限時間
四則逆算 全50問 9分
図表の読み取り 全29問 15分
表の空欄の推測 全20問 20分

次に計数の力に関するテストです。

これは学校教育における数学に当たります。

先ほど書いた通り、テストセンターでは電卓が使用できないので注意しましょう。

自宅受験をする人は、問題を始める前に必ず電卓を準備するようにしてください。

計数能力のテストは、以下の3つの種類があり、言語能力のテスト同様、1種類が選ばれ出題されます。

計数能力テストの種類
  1. 四則逆算
  2. 図表の読み取り
  3. 表の空欄の推測

①の四則の逆算は、いわゆる虫食い問題です。

やることは空欄の箇所を埋めて方程式を完成させるという、比較的簡単なものといえます。

しかしながら簡単な分問題数は多く、出題数は全部で50問、制限時間は9分となっています。

②図表の読み取りは、提示されたグラフや図などから情報を読み取り、推移や確率に関する計算を行う問題です。

実際のビジネスに使用されるような、複雑な表が出題されることもあるようです。

この問題は29問を制限時間15分で解答するため、1分に2問ほどの回答ペースで答えることができれば、時間内に全問回答することができます。

③表の空欄の推測は、表の中の法則性や文面の情報からグラフや表の空欄の数値を導き出す問題。

難易度は高く、時間もかかりますが、その分他の2種類と比較して出題数は20問と少なく、制限時間は20分です。

英語能力

種類 問題数 制限時間
論理的読解 全24問 10分
長文読解 全24問 10分

英語能力テストは、その名の通り英語に関する能力を測定するテストです。

英語の能力テストには以下の2種類があり、いずれかが出題されることになります。

英語能力テストの種類
  1. 論理的読解
  2. 長文読解

①論理的読解は、8つの長文を読み、それぞれ3つの設問に対して3つの選択肢から正しいものを判断する問題です。

場合によってはGAB形式とも呼ばれます。

単語や発音に関する小問題はなく、英語の長文を読み、内容を理解して回答する問題のみが続くのが特徴です。

全部で24問ありますが、制限時間は10分で、1分につき2問以上回答する必要があるため、こちらもスピーディに回答するよう心がけましょう。

②長文読解は、論理的読解と同じく8つの長文にそれぞれ3つの設問が出題されます。

こちらはIMAGES形式と呼ばれるものです。

問題ごとに文章と選択肢が用意されている点が長文読解の特徴だと言われています。

トータル24問、制限時間が10分というルールは論理的読解と全く同じです。

玉手箱攻略のコツ

さて、なんとなく玉手箱のイメージはついてきたでしょうか?

「やっと学生が終わると思ったのに、また勉強しないといけないの?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、これまでの学校教育のテストとは違い、何か新しいことを学んだり、直前に徹夜して詰め込んだりする必要はありません。

とはいえ、志望企業に入るためのテストですから、少しでもよい結果が出せるよう、対策はしておきたいですよね。

ここでは、玉手箱の受験前に行うべき対策方法を紹介します。ぜひ実践してみてくださいね。

問題集を使う

問題集の購入は、SPIや玉手箱などの就活用テストでは鉄則です。

問題の形式や回答の仕方を見ておかないとイメージがつきませんし、本番に本来のパフォーマンスが発揮できなくなる可能性もあります。

問題集はなるべく最新のものを持つようにし、古いもので練習するのは避けましょう。

玉手箱は出題形式が限られているため、そのパターンさえ覚えてしまえば、他の適性検査よりも対策は容易だと言えます。

出題傾向を理解する

先ほどの問題集の購入にも重なる部分はありますが、学校教育の試験やテストの対策と同様に、出題の傾向を押さえるのも重要なことです。

問題集の購入やアプリのインストールを行い、どのような問題が出題されているのかを調べましょう。

また、就活仲間や友人、先輩との情報交換を積極的におこなうのも1つの手です。

言語や英語能力テストに出てくる長文の内容や傾向、また計数テストに用いられるデータの内容などを見ておくと、単語やデータの使い方などの対策がしやすいでしょう。

本命の前には練習を

練習せずに本番に臨む、いわゆる「ぶっつけ本番」はやめたほうがいいでしょう。

何度も言っているように、出てくる問題の形式などは、当日はじめて見るよりも事前に知っておいた方がお得です。

本命企業の玉手箱を受ける前に、練習として一度解いておくようにしましょう。

その中で英語の単語を勉強できたり、電卓の扱いがスムーズになったり、1問にかかる時間が少なくなったりと、何かしらのプラスの効果が得られるはずです。

玉手箱はどこで必要?

ここまで、玉手箱の内容や対策について説明してきました。

しかし玉手箱とは、そもそもどこで必要になるのでしょうか?

当然ですが、今の日本社会で働いている全ての大人が玉手箱を経験しているわけではありません。

ここからは、「玉手箱が必要になってくる可能性のある企業」についてお話しします。

あなたの志望する業界や企業が当てはまっているか、しっかり確認してくださいね。

大手企業が広く使用

玉手箱を採用している企業は多く、幅広い業界で活用されていますが、特に規模の大きい大手企業や総合会社、銀行、証券会社などが多いです。

玉手箱の性質上、回答速度や正確性が計測できるため、特に情報処理能力の高い人や正確な判断ができる人を求めている金融などの業界で需要が高いようです。

SPIに代わって昨今次々と導入されている玉手箱は、多くの企業で筆記試験として採用されています。

上記の業界以外や、ベンチャー企業などでも採用されているので、あなたの志望している企業の採用実績を確認してみてください。

対策も大変なぶん、「自分にとって必要か否か」の見極めは非常に重要だと言えるでしょう。

玉手箱を採用した企業例

玉手箱の採用実績がある企業を以下にまとめたので、参考にしてみてください。

あなたの志望する業界や企業はありますか?

もしなかったとしても、「玉手箱を採用していない」ということではありませんので、必ず自分で調べてみてください

調査方法については、後ほど詳しく解説します。

導入企業例(一部):

アクセンチュア、TBSテレビ、富士通、メリルリンチ日本証券、東日本電信電話、フューチャーアーキテクト、スリーエムジャパン、住友林業、日本印刷、みずほフィナンシャルグループ、日立製作所、日産自動車など

過去の口コミで調査しよう

気になっている企業が玉手箱を導入しているのかわからない!という場合は、過去の口コミを見てみましょう。

会社として大々的に発表していなくとも、個人がサイトなどに書いた情報が残っている場合もあります。

また、昨今はSNSも非常に発達しているため、Twitterなどへ書き込みがされていないかも合わせて確認するとよいでしょう。

また選考開始後にはなってしまいますが、企業から送られてきたURLの中に「web1.e-exams」という文字の羅列があれば、玉手箱である確率が高いといえます。

webの後の数字は「web2」「web3」など変動する場合もあるので、注意しましょう。

まとめ:玉手箱もSPIと同じような対策が必要

玉手箱はこれまでに学んできたことを使うだけで、新しい知識は必要ないといっても、やはり志望する企業から内定をもらうためには手は抜きたくありませんよね。

玉手箱は

  • 言語能力テスト
  • 計数能力テスト
  • 英語能力テスト
  • 性格テスト

の4つからなり、それぞれ問題数が多く、制限時間も短いのが特徴です。

玉手箱は筆記試験として使用されることが多いため、ここを突破できないと内定はおろか、面接に進むことさえできません。

ここで振るい落とされてしまわないためにも、

ポイント
  • 問題集の購入
  • 出題傾向の確認
  • 練習

は必須です。

しっかりと対策し、志望企業の第一関門を突破しましょう!

ただし、自分にとってそもそも玉手箱対策が必要なのかどうかの確認は、くれぐれも怠らないでくださいね。

WANABI
編集部
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