内定をもらってから春の入社までに、「内定式」というイベントがあるのを知っていますか?
先輩の体験談を聞いたり、企業から案内があったりする中で、名前くらいは聞いたことがあるという人も多いと思います。
内定式は、あなたが入社することになる企業と早くから関わりを持つうえで外せないイベント。
ですが名前を聞いただけでは、具体的に何をするのか、どんな式なのか、いまいちイメージが湧きませんよね。
内容や目的がわからないだけに、
「内定式って行かなくちゃいけないの?」
「正直、参加するか迷っている...」
なんて人もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんな就活卒業生、もとい内定者の悩みに答えるべく、内定式のプログラムやしておくべき事前準備について解説しています。
内定式への参加そのものを迷っている人にも役立つ情報を書きましたので、ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。
内定式って緊張しますよね…!参加前の準備をしっかりして、いいスタートダッシュをしましょう!
そもそも内定式って?
参加を決めるには、イベントがそもそもどういったものなのかを知る必要があります。
では、内定式とは本来どういった目的で、いつおこなわれるものなのでしょうか。
ここでは、内定式の基本的な情報についてお伝えします。
内定式は基本10月1日に開催
内定式は多くの場合、卒業・修了年度の10月1日に行われます。
これは日本経済団体連合会(日本経団連)が定めた「採用選考に関する指針」というルールに「正式な内定日は10月1日以降とする」と書かれていることが主な理由です。
しかし、内定式の開催時期については明確な決まりがあるわけではないので、企業によっては10月以前におこなう場合や、10月以降におこなう場合も往々にしてあります。
あなたの企業が内定式をいつ開催するのか、しっかりチェックしておきましょう。
内定式の目的は2つ
内定式は、企業が内定を出した学生に対しておこなうものです。
では、内定式はなぜおこなうのでしょうか。
ここでは、内定式の主な目的を2つ紹介します。
企業理解
まず1つは、改めて会社のことを知ってもらうためです。
内定式の内容についてはまた後ほど詳しく解説しますが、多くの場合、内定式では社長や役員の話を聞く機会が設けられています。
今一度、社長や役員の口から会社の理念や事業の内容を聞くことで、会社の魅力を再認識することができるのです。
また、その会社の雰囲気をより深く知ることができたり、入社後の待遇など就活生のときよりも突っ込んだ質問ができるなど、内定式は会社を知る絶好の機会です。
入社した後に「イメージと違った」というミスマッチを起こさないためにも、内定式ではしっかり企業の内側を見ておきましょう。
内定辞退の防止
内定式をおこなうもう1つの理由は、内定辞退を防ぐためです。
内定が出てから入社まで、一切企業との関わりがない状態が続くと、学生も「本当にここでよかったのかな」と不安になってしまいます。
「あなたはこの会社の一員だよ」という歓迎の気持ちをアピールしたり、内定者同士の交流の場を設けることで、学生に安心感を持ってもらう狙いも内定式にはあるのです。
また、内定式への参加は「この会社に入社したい」という意思表示でもあります。
内定式への参加可否を通して、入社意思の確認をすることも重要な目的の1つです。
内定式では何をするのか
内定式の目的がわかったところで、いよいよ気になる内定式の内容について紹介していきましょう。
内定式の内容については、開催時期と同様、明確な決まりはありません。内容はその企業の個性がはっきり現れる部分でもあるので、企業によって異なることがほとんどです。
この記事では、その中でも多くの企業の内定式で見られる、オーソドックスな内容を4つほど紹介します。
社長や役員の挨拶
ほとんどの企業が内定式のプログラムに組み込んでいるのが、社長や役員といった経営陣の挨拶です。
目的の部分でも述べた通り、社長や役員からの挨拶は、内定者に会社の魅力を改めて伝える重要な場でもあります。
また、その会社の一員としての心構えや、理想としている社員像など、就活時代には聞けなかった話が聞ける場合も多いようです。
よほど小さな会社でない限り、入社後に社長の話を聞けることは少ないはず。
あなたが選んだ会社の強みや魅力を再認識できる場でもあるので、ぜひ耳を傾けてみてください。
入社や仕事へのモチベーションに繋がること間違いなしです。
内定書の授与
いまだに根強い内定式の風習として挙げられるのが、内定書の授与です。内定証書とも呼ばれています。
内定書とは、採用試験を突破し、内定を獲得したことを表す証明書です。
大きな企業だと代表者が受け取る場合が多いですが、企業によっては内定者1人1人に渡される場合もあります。人前に出ても恥ずかしくないよう、身だしなみやマナーには気を付けてくださいね。
もしも服装や髪型、振る舞いに不安があるなら、事前に調べておくとよいでしょう。
事前準備についても、後ほど詳しく説明しますね。
内定者同士の交流
多くの場合、全員での式典が終わると、内定者同士の交流会が設けられます。
最近では内定者だけでなく、会社側の先輩社員が同席して親睦を深めることも多いようです。
同期や先輩との関係は、入社後のあなたの人生を大きく左右することになります。
早いうちからたくさんコミュニケーションをとり、仲を深めておくとよいでしょう。
また懇親会がおこなわれる場合、会社でのあなたの第一印象がそこで決まるといっても過言ではありません。
丁寧な言葉遣いや、親しみやすい自己紹介などを考えておくとよいでしょう。
事務連絡
内定式では、今後の流れや入社までにやっておくべきことなど、事務的な連絡もおこなわれます。
たとえば制服がある企業の場合、制服の採寸日や書類の提出についてアナウンスされる場合があります。
聞き逃してしまうといざ入社するタイミングで困ってしまう恐れがあるので、しっかり耳を傾けてメモをとっておきましょう。
内定式に準備していくべきこと
内定式の目的や内容のイメージはついたでしょうか?
ここまでの記事内容からもわかる通り、内定式にあたって何も準備をしていないまま出席してしまうと、当日困ることがきっと出てきます。
ここからは、内定式に出席する際、事前に準備しておくべきことをまとめています。
すべての準備ができているかどうか、しっかり確認してくださいね。
服装・髪型を整える
まず気を付けるべきは身だしなみです。
就職活動も終わり、髪色や髪型を派手なものにしたい気持ちはわかりますが、そこはグッと我慢。
派手な髪は内定式で悪目立ちしてしまいますし、せっかく入社が決まったのに、「場をわきまえない新人」なんて第一印象からスタートするのはとてももったいないことです。
就活時代と同様、髪色は暗く、清潔感ある髪型にしてください。
女性の場合は、顔がしっかり見えるようにヘアピンで留める、結ぶなどの工夫をしましょう。
また、服装についても注意が必要です。
服装は企業によって指定の有無はさまざまですが、何も記載がない場合、スーツを着ていくほうが無難でしょう。
スーツは就活時代に着ていたものでかまいませんが、シワや汚れがないよう充分に注意してください。
身だしなみに関しては、就活の面接と同じような髪・服装であれば問題ありません。
開催場所や時間、持ち物を確認しておく
間違っても遅刻や無断欠席をしないように、開催日時と場所の確認は必須。本社のオフィスが会場かと思ったら開催場所が全く違った、なんてこともあります。
オフィスや面接会場に使われた施設ならかまいませんが、行ったことのない場所であれば下見もしておいた方が安心です。
また、当日は電車の遅延などで時間に間に合わなくなってしまう可能性も考えられます。
時間に余裕をもった行動はもちろんですが、会社の電話番号などの緊急連絡先も控えておくとよいでしょう。
持ち物に関しては、会社側から指定された書類などは前もって準備をしておき、前日に確認をするようにしてください。
インターンや研修など、今後の日程に関する連絡に備えて、筆記用具やスケジュール帳、メモ用紙なども必ず持っていきましょう。
また他にも、書類が配られたときにクリアファイルが役に立ったという先輩もいます。
- 筆記用具
- スケジュール帳
- メモ
- A4クリアファイル
会社情報を見直しておく
就活中に企業の情報はしっかり調べていると思いますが、内定式の前には念のため会社情報を確認しておいてください。
訪問する企業がおこなっている事業の内容や、社長をはじめとするキーパーソンの名前を覚えておくのは、社会人としてのマナーでもあります。
ましてや、自分がこの先お世話になる企業なら尚更です。
企業のホームページやパンフレットを見直して、今一度情報を頭に入れておきましょう。
もしも余裕がある場合、競合他社の情報も頭にいれておくと、「意欲的な内定者」として先輩社員からの印象がグッとよくなるでしょう。
敬語・マナーやビジネス用語の確認もしておくとベスト
内定式は面接ではないので、比較的フランクにおこなわれる場合が多いです。
ですが、敬語やマナーは早くから勉強しておくに越したことはありません。
- 目上の人との話し方
- 尊敬語、謙譲語の使い分け
- 振る舞いのマナー
などは、事前に本や動画で勉強しておくとよいでしょう。
また、「PDCA」や「マネジメント」など、学生時代には聞きなれなかった言葉が飛び交うこともあります。
完璧に覚えていく必要はありませんが、有名なビジネス書の内容やビジネス用語などは、少しでも頭に入れておくとよいでしょう。
【番外編】内定式を行くのを悩んでいるなら
内定式への心の準備はできましたか?
ここまで読んで
「そもそも内定式に行くかどうかを迷っている...」
「絶対に行かなくちゃだめなの?」
と困っている人もいるのではないでしょうか。
ここからは、内定式の参加そのものについて悩んでいる人への情報をお伝えします。
当日体調が優れない
内定式への出席は義務ではありません。
もちろんあなたと企業がお互いを知るためにも、内定式には行った方がよいことは間違いないのですが、やはりどうしても体調が悪いときはあります。もしも当日になって体調が良くないようであれば、欠席してもかまいません。
ただし、その際は必ず電話で連絡をしましょう。
時間帯も、直前になってからでは心証が悪いです。
「今日は体調が悪いから出席できない」と思ったら、すぐに企業に電話をするのがベスト。
内定式でもらうはずだった書類や、必要だった手続きについては、「別途対応をいただくことは可能でしょうか」と聞いたうえで、企業の指示に従ってください。
外せない用事がある
大学の卒業論文の発表会や、冠婚葬祭などの理由で欠席したい場合もありますよね。
その際も体調不良の場合と同様に、電話で連絡をし、別途案内をもらうようにしてください。
ただし、大学の発表会や授業は前もって日程がわかっているはずなので、当日になってから「授業があるのでやっぱり行けません」なんて電話をするのはNG。
内定式の日程がわかったら、すぐに自分のスケジュールを確認して、もし都合が悪い場合はすぐに連絡をしましょう。
また欠席する場合は、数週間前など時間に余裕がある場合でも必ず電話で連絡するようにしてください。
入社を迷っている
内定をもらったはいいものの、まだ内定を承諾するか決めかねている場合もあるでしょう。
「まだこの会社に決め切れていません」
「第一志望の会社の合否が出るまで、入社するかわかりません」
そんなことを堂々というのは、少し気が引けてしまいますよね。
とはいえ、出席してしまったら入社しなければいけない、と思っている人も多いはず。
実は、内定式の後に内定を辞退することは可能なんです。原則、入社の2週間前までに企業に辞退の意向を伝えていれば、法的に問題はありません。
ですので、どうしても入社を決めきれないけど内定式に出席をするという選択肢もアリ。
しかし、内定式後の内定辞退は企業にも迷惑をかけてしまいますし、当然印象もよくありません。
「とりあえず参加してみて、ダメならやめればいい」とは安易に考えず、しっかり考えてから内定式に出席するようにしてください。
その上で「やっぱり違った」「どうしても行きたい会社が他にある」と思った場合は、速やかに電話で内定辞退の連絡を入れましょう。
まとめ:内定式は社員になったつもりで参加しよう!
内定式は、あなたと会社が入社前にお互いを知るための大切な機会です。
内容や様式は企業によってさまざまですが、新しい仲間になるあなたを歓迎する気持ちはどの企業でも変わりません。
そんな企業に対して失礼がないよう、身だしなみや敬語など、しっかり準備をしてから当日に臨みましょう。
特に、
- 服装や髪型を整える
- 開催場所、時間、持ち物の確認を怠らない
- 会社情報を見直しておく
- 敬語やマナー、ビジネス用語を学んでおく
上記4つは内定式の前に必ず確認しておくようにしましょう。
まだ学生だとはいえ、企業にとってはあなたは自社の社員同然です。社会人らしい振る舞いを心がけながら、企業理解や周囲との交流を深めてきてください。
内定式が終わる頃には、きっと入社が待ち遠しいはずです。
あなたが頑張り抜いた就活最後のイベントを、楽しんできてくださいね!