就職活動の中でも大きな意味を持つ内定。
就職活動がある程度進むと、早めに選考が終わった企業から内定をもらうこともあるかもしれません。
そんなときに登場するのが内定承諾書です。
内定承諾書の他にも、内定通知書や条件提示書など、突然企業から見慣れない書類が送られてくることもあります。
内定を承諾するにしろ、辞退するにしろ、送られてきた書類を放置するのは絶対にNG。
とはいえ、はじめて内定に関する書類を受け取った人の中には、
「内定後のことなんて考えてなかった...」
「内定をもらえたのはうれしいけど、ここからの手続きって何をすればいいの?」
と戸惑ってしまう人も少なくありません。
そんな人のために、この記事では、内定後の書類手続きや注意点を紹介しています。
苦手意識がある人もいるかもしれませんが、責任感ある社会人への第一歩だと思って、しっかり手続きをおこないましょう。
- 内定後に届くものについて
- 内定後の書類手続きの仕方
- 内定後の対応でのQ&A
内定通知の際に届くもの3つ
まずは、内定が出た際に届く可能性がある書類を順番に紹介していきます。
それぞれの役割や他の書類との違いをしっかり把握しておきましょう。
内定通知書
内定通知書とは、その名の通り内定が決まったことを知らせるための書類です。
企業にとって内定通知書は重要書類であるため、簡易書留で送られてくる場合が多いようですが、普通郵便で送付する企業もあります。
送られてくる郵便は常にチェックして、見逃してしまうことがないようにしましょう。
また、内定通知書は他の書類と一緒に、最終面接から1週間から10日ほどで届くのが一般的です。
届くまでの期間も企業によって異なりますが、企業も採用する人材に早く結果を伝えたいため、あまりにも遅くなることは考えにくいでしょう。
ただし、内定通知書の送付は企業にとって義務ではないため、電話やメールでの通知に留まる場合もあります。
内定に関する書類が届くのかどうかや、内定の承諾・辞退の方法などは、あらかじめ企業側に確認しておくとよいでしょう。
内定承諾書
内定承諾書は、企業からのお知らせである内定通知書とは異なり、学生側が内定を受け入れ、入社を希望する旨を企業に知らせるための書類です。
企業によっては、「入社承諾書」や「入社誓約書」といった名前で送付することもあります。
内定承諾書は基本的に内定通知書などの書類に同封されているため、学生はそれに署名や捺印をして返送するのが一般的です。
また、最近ではメールでの内定通知の際に、PDFなどの形式で内定承諾書が添付されているケースも増えています。
そういった場合は、
- 内定承諾書のデータをメールで送信する
- 紙に印刷して郵送する
など、企業の指示に従ってください。
内定承諾書を提出する際の注意点については、後ほど詳しく解説していきます。
条件提示書
学生に対して内定を出した企業は、業務内容・就業時間といった労働条件に関する情報や、給与に関する情報を開示する義務があります。
そういった情報を学生に対して開示するのに用いられるのが、「条件提示書」「労働条件通知書」といった書類です。
この書類は内定通知書と同様、企業からのお知らせであるため、内定承諾書のように何かを返送する必要はありません。
また、内定に関する書類に決まったテンプレートはないので、中には内定通知書に労働条件や給与の情報を記載する企業もあります。
書類の名前だけではなく、紙面にもしっかり目を通しましょう。
企業は情報を開示する義務はありますが、その方法は書類とは限らないため、詳細な情報はメールなどで送られてくる場合もあります。
書類やメールがいつまでもこなかったり、労働条件や給与の情報がどこで確認出来るのかわからなかったりする場合は、直接企業に問い合わせてみましょう。
内定を承諾する場合
ずっと入社したかった第一志望の企業から内定をもらえたら、飛び上がるほど嬉しいですよね。
もしあなたの心がもう決まっているなら、さっそく内定承諾書を返送して、入社を希望する旨を企業に伝えましょう。
内定承諾はスピーディに行うべし
内定承諾書に書かれている内容に同意する場合は、署名、捺印をした上で、期限に間に合うように郵送してください。
遠方に住む保護者の署名が必要だった等、やむを得ない事情で返送期限に間に合わない可能性がある場合は、電話やメールなどで遅れてしまうことを伝えましょう。
その際、何故遅れてしまうのか理由もしっかり添えてください。
内定を承諾することを既に決めているのであれば、手続きは早いほうが企業に対して親切ですし、意欲をアピールすることもできます。
内定承諾書には「添え状」を忘れずに
内定承諾書には添え状をつけるのがマナーです。
送付状やカバーレターと呼ばれることもあります。
添え状は、誰が誰に、何を送ったのかをわかりやすくするためにつけるもの。
とはいえ、学生時代に添え状を書く経験なんてなかなかありませんよね。
そんな人のために、親切な添え状を書く際の注意点を、以下の見出しにまとめました。
是非参考にしてみてください。
添え状で気を付けるべき6つのポイント
添え状に決まった書き方やテンプレートは存在しません。
しかし添え状本来の目的を果たすために、以下の6つのポイントには必ず気を付けるようにしましょう。
20〇〇年◯月◯日 株式会社〇〇 〇〇大学〇〇学部〇〇学科
内定承諾書送付の件 拝啓 時下、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。このたびは内定通知書をご送付いただきまして、ありがとうございました。つきましては、内定承諾書を送付致しますのでご査収ください。 貴社に内定をいただくことができ、大変光栄に思っております。今後とも、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具
記 ・内定承諾書 1通 以上
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- 提出日を右上に入れる
- 左上に会社名と部署名、担当者の名前
- 右側に自分の大学名・名前と連絡先
- 「内定承諾書送付の件」は中心に
- 本文は長くなりすぎないことを意識
- 同封する書類を明記
添え状はあくまで書類送付の目的を知らせるためのものなので、あまり長く書きすぎないほうがよいでしょう。
「わかりやすく簡潔に」を意識して書くのが親切な添え状のコツです。
内定辞退を希望する場合
就職活動で第一志望以外の企業は受けない、という人はごくごく少数です。
就活生の平均エントリー数は約27社とも言われているくらい、今や複数の企業に応募することが当たり前になっています。
それだけの企業の選考を同時に進んでいると、いくつかの会社から内定をもらった、という状況も珍しくありません。
そうなると、
「内定をもらったけれど、第一志望の企業に行くことが決まっている」
「他に入社したい会社がある」
などの理由で、もらった内定を辞退したいと思うこともありますよね。
しかし、せっかくもらった内定を断るという行為に抵抗がある人もいるのではないでしょうか。
ここでは、内定を辞退するときの注意点や、引き留められたときの対処法について紹介していきます。
内定辞退はできるの?
複数の企業を受けている以上、内定を複数もらうことは十分にありえることです。
しかしそもそも、もらった内定を辞退することはできるのでしょうか?
結論からいうと、内定辞退は可能です。
「内定を辞退したい」と伝えることに申し訳なさを感じる人もいるかもしれませんが、あなたが1つの会社にしか入社できない以上、断るのは仕方のないことです。
ですが、せっかくあなたを採用したいと言ってくれている企業のお誘いを断るわけですから、断る際は礼儀を欠かないようにしましょう。
内定を辞退するときの注意点
内定を辞退するときに忘れてはならないのは、相手に感謝を伝えること、最後まで礼儀正しくあることです。
内定辞退を決めたら、まずはすぐに連絡してください。
気まずいからと連絡をズルズル引き延ばしていては、あなたにも相手の企業にも得はありません。
辞退の連絡は電話とメールの両方で行うのがベストです。
電話では、別の企業に入社することと、「内定をいただきありがとうございました」という感謝の言葉をしっかり伝えてください。
入社しないとはいえ、社会人になってから相手の企業が取引先になったりするケースも十分にありえます。最後まで礼儀を欠かさず、真摯な対応を心がけましょう。
引き留められた場合でも応じる義務はナシ
また、企業によっては「一度改めて話をしたい」「オフィスに来てほしい」など、あなたを引き留めようとする場合があります。
企業はあなたの能力や人柄に魅力を感じて内定を出しているのですから、どうしても自分の会社に来てほしいという思いがあっても不思議ではありません。
しかし、あなたが企業側の誘いに応じるかどうかは自由です。
もし話の内容に興味があったり、「そこまで自分を必要としてくれる企業なのか」と考えを変えるようであれば、話を聞いてみてもいいかもしれません。
しかし、もしあなたにとって心に決めた企業があり、決意が揺らがないのであれば、誘いを断ることは決して悪いことではありません。
企業に引き留められたとしても、学生側に応じる義務はないので、「嬉しいお言葉をありがとうございます。ですが、もう既に入社したいと考えている企業がありまして...」など、丁寧に断りを入れましょう。
【番外編】内定後、こんなときどうする?
内定を承諾する場合、また辞退する場合の対応や手続きはわかりましたか?
ここでは、内定後の学生によくある「こんなときはどうしたらいいの?」という疑問にお答えします。
もしあなたにもあてはまる悩みがあれば、ぜひ読んでみてください。
内定通知書がこない
最終面接のあと、いつまで経っても内定通知書がこないと不安になってしまいますよね。
ですが最初にも書いた通り、内定通知書の送付は企業の義務ではありません。
特に昨今はペーパーレスも進み、電話やメールでの通知が増えている時代でもあります。
電話やメールといった郵便以外も常にチェックし、すぐに対応できるように備えておきましょう。
また内定後、学校や役所の手続きなどで内定通知書が必要な場合は、企業に連絡すると別途発行してもらえる場合がほとんどです。
内定承諾後に辞退したい
一度内定を承諾したものの、自分の心の変化や家庭の事情などで「やっぱり内定を辞退したい」という場合もあるかもしれません。
就職はあなたの人生を大きく左右します。
しっかり自分の理想像やキャリアを考えたうえで内定を辞退するというのであれば、それも選択肢のうちの1つです。
民法上、労働者は入社日の2週間前までに申し出れば、たとえ内定承諾書を提出した後であっても雇用契約を解消することができます。
そのため、内定承諾後に入社を辞退することは可能ですし、それを理由に罰せられることはありません。
しかし、一度決めたことをひっくり返す以上、社会人らしい振る舞いを意識して辞退の連絡をしてください。
辞退を決めたらすぐに電話で企業に連絡をいれ、必ず一言謝罪を入れましょう。
理由を細かに話す必要はありませんが、企業から「理由をお聞かせいただけますか」と聞かれた場合は、簡潔に理由を説明しましょう。
内定承諾後の辞退について知りたい方は、こちらもチェック!
他社の選考結果を待ってから決めたい
第一志望の企業の合否に先んじて、第二志望の企業の内定が出てしまった場合など、内定を承諾するか否かを期限内に決めきれないことがあります。
そういった場合は、はやめに企業に連絡し、内定承諾の期間を延長してもらいたい旨を伝えましょう。
企業にもよりますが、一般的に3週間から1ヶ月程であれば待ってもらえる場合が多いです。
あまりにも長期間の延長をお願いする場合は、しっかりと理由を伝えたうえで可能かどうか聞いてみてください。
延長を願い出る際は、第一志望の企業の結果がいつ頃に出るかを把握し、「〇日まで」「〇週間後まで」など具体的な日にちを提示した方が親切です。
まとめ:内定を承諾でも辞退でも、丁寧な対応を心がけよう!
内定後の手続きや対応は、あなたの就職活動を締めくくる最後の決定になります。
承諾する場合でも、辞退する場合でも、速やかな連絡を心がけてください。
承諾する場合は、
- スピーディに対応する
- 添え状をつける
といった親切な対応をしましょう。
一方で、辞退する場合も、
- 感謝の言葉を添える
- 辞退したい旨をはっきりと伝える
このような真摯な対応を心がけてください。
内定を承諾するのか、辞退するのか、あなたの人生に大きく影響することは間違いありません。後悔の無い選択をすると同時に、礼節ある社会人らしい振る舞いを心がけてくださいね。
長く大変な就職活動、お疲れ様でした。
ぜひ素敵な社会人になってください。