アルバイト終わり、スマホを開くと志望中の企業からメールの通知が届いている。
「先日は弊社の2次選考にお越しいただき、誠にありがとうございました。慎重に検討を重ねました結果〜」
1番気になるところが、通知では読めない。
メールを開く。結果は、“お祈りメール”だった。
就活生の中には知らない人はいないと思うが、就活用語には「お祈りメール」という言葉がある。
お祈りメールとは、
慎重に検討を重ねました結果、誠に残念ながら、今回は貴意に添いかねる結果となりました。大変恐縮ではございますが、何卒ご了承いただければ幸いです。
末筆ながら、貴殿の今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。
といった、いわば「不合格を伝えるメール」である。
お祈りメールなんて言うと響きはいいが、ちっとも祈られている気などしない。情も感じない定型文で「あなたはうちの会社には必要ありません」と、なんだか自分の人生ごと全否定されている気がして、悲しくなる。
頭では、たまたまその企業にマッチしなかっただけというのはわかっている。でも、あくまで選考の練習として受けた企業から落とされたときでさえ、それなりに落ち込んでしまった。
自分が社会の誰からも必要とされていない無能な人間である気がして、お祈りメールを読むと、「何がお祈りメールだ、何も祈ってないくせに」と思ってしまう。
だが、祈ってもらえるだけマシである。
社会に出て分かったのは、祈ってもらえるだけとても「有難い」ということだ。
何時間もかけて書いた文章が読まれることなく没になることや、何日も考えた企画が白紙に戻ることは日常茶飯事なのだから。
ウォルトディズニーも、カーネルサンダースも、諦めなかった。
302回。これは、ウォルトディズニーが「資金提供」を銀行に断られた回数である。
「こんな夢の世界が実現するはずがない」と言われ続けたそうだが、ウォルトディズニーは諦めなかった。
「夢の国」を実現させるために銀行に通い続けた結果、いまディズニーは世界で最も人気のあるテーマパークのひとつになっている。
あなたは、302回断られても、夢の実現のために挑戦し続けることはできるだろうか?
50社受けて全滅だった人も、303社受けていたら内定がもらえていたかもしれない。
少なくともわたしの知り合いの中に、302社から祈られ続けた人はいない。ましてや、一度祈られた会社を何度も受け続ける人はごく稀である。
「ケンタッキー・フライドチキン(KFC)」で有名なカーネルサンダースも、“諦めなかった人”の一人。
かつて経営していたレストランで大人気だったフライドチキンのレシピを他のお店に売ることにしたものの、入る店入る店から拒否され、なんと合計1009回も断られたそうだ。
就活では、どれだけ優秀な学生も、落とされることがある。誰だってどこかの企業から祈られているはずだ。
そもそも、最終的に自分に合った企業1社から内定がもらえれば良いのだ。あなたが何社から落とされたかなんて関係ない。
優秀な就活生とそうでない就活生の違いがあるとすれば、祈られた原因を考えることができるかどうかだとわたしは思う。
ウォルトディズニーもカーネルサンダースも、断られるたびに「どこがだめだったか」「どこを直せば受け入れてもらえるか」を考えていたはずである。
お祈りメールひとつで落ち込んでしまう気持ちはとても分かる。
大切なのは、適切に落ち込み、反省点を探して改善していくことだと思う。