「就活を始めようと思ってるけど、何から始めれば良いか分からない」
あなたもこのような悩みを抱えているのではないでしょうか?
私も就職活動を始めたころは、何から始めれば良いか分かりませんでした。また、先輩にも「自己分析じゃない?」と言われるだけで具体的な手順を教えてもらえませんでした。
そこで今回は、かつての私のように
「就活って何から始めれば良いの」
「自己分析ってどうすれば良いの」
と思っているあなたへ、自己分析の第一歩として、自己分析シートと呼ばれるものをご紹介します。
自己分析シートとは、自分の過去を言語化し、そこから強みや価値観を見つけられる自己分析ツールです。
自己分析シートがおすすめな理由やそのやり方については本文で詳しく書きます。
さらに、自己分析シートを書き終えたあとにおこなうべき自己分析シートを活かしたアクションも一緒にお伝えします。
そもそも自己分析の目的は?
自己分析シートを紹介する前に、そもそも自己分析は何のためにおこなうかについてお伝えします。
自己分析の目的を知らないと、やるだけになってしまったり、必要以上に時間をかけてしまったりする恐れがあります。
まず、自己分析の目的をおさえることで、より有意義な自己分析をしましょう!
自己分析は継続しておこなっていくもの
まず、自己分析は継続しておこなっていくものだと覚えておいてほしいです。
そもそも自己分析は、就職活動中だけではなく一生おこなっていくものです。なぜなら自分がどのようなことができて、どのようなことを大切にしているかは、多かれ少なかれ変化していくものだからです。
自己分析を更新していかなければ、人生において自分の大切にしていることを見失ってしまう恐れがあります。
そのため、ほぼ全ての社会人が就職活動を終えて、働き始めてからも自己分析を続けています。
就職活動の中だけで、本当の意味での自己分析を完璧に仕上げることは不可能です。
就職活動における自己分析の目的
自己分析が完璧になることはないと聞いて、やる意味がないと思われたかもしれません。
たしかに、人生における自己分析は完璧になることはありません。しかし、就職活動における自己分析の目的(この状態になれば良い)は存在します。
それは以下の2つです。
- 自分の強みや価値観を知り、自身に合った仕事の仮説が立てること
- 自分の強みや価値観を知り、人に伝えること
自分の強みや価値観を知り、自身に合った仕事の仮説が立てること
1つ目は、「自分の特性や強み、価値観を知り、自身にあった仕事の仮説を立てること」です。これは企業を選ぶ観点から必要になってきます。
就職するのであれば、より自分に合った環境で、自分の得意な仕事をできるほうがよいですよね。
そのためには、まず自分がどのような強みや価値観を持っているのかを知り、どの仕事であればそれが活かせるのか、仮説を立てることが重要です。
そして、その仮説をもとに企業を選び、会社説明会やOB訪問で実際にその仮説が正しいかを確認していくことによって、自分に合った仕事や企業を選ぶことができます。
自分の強みや価値観を知り、人に伝えること
2つ目は、「自分の特性や強み、価値観を知り、人に伝えること」ことです。これは選考に受かるために必要になってきます。
就職活動は学生と企業のマッチングです。企業の求める人物像と合致したときにその企業に内定をもらうことができます。
そのためには、まず自分がどのような強みや価値観を持っているかを、企業に伝えられるようになることが必要なのです。
以上の2つが、就職活動における自己分析の目的です。
この2つの目的を意識せずに自己分析をしてしまうと、企業研究やOB訪問などをおこなう時間を削ってしまうほど、自己分析に時間をかけてしまう、いわゆる「自己分析の沼」にはまってしまいます。
「自己分析の沼」にはまらないように、常に目的を意識しながら自己分析を進めていきましょう!
自己分析をするメリット
自己分析の目的をお伝えしたところで、自己分析シートを書くメリットをお伝えしようと思います。
自分の強みや価値観に気づける
自己分析の目的でもお伝えしましたが、就職活動では、自分の強みや価値観を知っていることがとても重要になってきます。
しかし、人は自分の強みや価値観に気づいていないことが多いです。本人にとって、強みや価値観はいわば「当たり前のこと」だからです。
そのため、まず自分の強みや価値観に気づく必要があり、その手段として自己分析シートがあります。
後に詳しく説明しますが、自己分析シートでは過去を振り返ることによって、過去の自分を客観視することできます。その結果、自分の特性(強みや価値観)に気付けるのです。
自分の強みや価値観を相手に話せるようになる
自己分析の目的の1つに「自分の強みや価値観を知り、人に伝えられる」ことを挙げましたが、自己分析シートはその準備をすることができます。
先ほども述べたように自己分析シートでは、過去の行動や思考を振り返れます。そのときに、ただ「過去に〇〇のようなことがあったな~」と思って終わるのではなく、シートに書き込むことで、言語化することができるのです。
人は言語化することで思考が整理され、より論理的に話せるようになります。その結果、自分のことをわかりやすく人に話せるようになるのです。
もちろん、「相手に話せること」=「相手に伝えられること」ではありません。自分がわかりやすく話せたと思っていても、相手には伝わっていないことは、たくさんあります。
しかし、「伝えられる」ようになるために、まず「話せる」ようになる必要があります。「話せる」ようになるために自己分析シートは有効です!
自己分析シートをおすすめする理由
次に、他の自己分析方法と比べて自己分析シートにはどのようなメリットがあるか紹介します!
1人でできる
自己分析シートは、他己分析(他人に自分がどのようにみえるか聞くこと)や壁打ち(自分のことを相手に話すことで、自分を知ること)とは違い、1人でおこなうことができます。
もちろん、他己分析や壁打ちも素晴らしい自己分析方法です。しかし、必ずだれかと予定を合わせたり、相手のペースに合わせたりする必要があります。
一方、自己分析シートは自分に合ったペースで、好きな時間におこなうことができます。
そのため、今日からでも、自己分析を始めることができるのです。就職活動を始めたばかりで、何をすれば良いかわからない人には、ピッタリな自己分析方法といえるでしょう!
自己分析を文字として残せる
対話形式の自己分析方法だと、どうしても会話に集中するため、メモをとるのは難しいですよね。
そのため、対話しているときに見つけたことも、時間が経つと忘れてしまう可能性があります。最悪の場合、忘れたことにも気がつくことができません。
一方、自己分析シートは自分の思考を確実に文字化することができます。
そのため、自己分析の結果を忘れてしまっても、自己分析シートを見直すことによって、過去に行った自己分析の内容を思い出すことが可能です。
特に就職活動をする頻度がそれほど多くない人は、自己分析をしてから次の就職活動までに日にちが空いてしまうので、文字として残せる自己分析シートをおすすめします。
自己分析シートを書く手順
自己分析シートに多くのメリットがあると分かったところで、実際に自己分析シートを書く手順をご紹介していきます。
最終的に自分の持っている強みや価値観を見つけることができれば、自己分析シートの目的は達成です。その目的を達成するために、次の4つのステップを踏みます。
- 自分史を書く
- 自分史を深掘りする
- 共通点を見つけだす
- 共通点から強みや価値観を見つけだす
1つずつ詳しく解説してきます。
【ステップ1】自分史を書く
自分史とは、表を用いて、自分の過去を振り返るものです。過去をいくつかの年代にわけて、そのときにあった出来事をそのときの感情とセットで書き出します。
一般的に自分史は、幼少期・小学校、中学校、高校、大学に分けて書いていきます。ただ、人によって、どの時期に印象的な出来事がどれだけあるかは異なってくるので、変更しても構いません。
これから自分史をさらに2段階に分けて解説をしていくので、流れに沿って実際にやってみてください!
幼少期~現在の出来事をポジティブ・ネガティブに分けて書く
まずは、幼少期~現在に起きた出来事をポジティブ・ネガティブ両方書き出します。
例えば、ポジティブな出来事であれば、「幼少期に自転車の練習を頑張って、乗れるようになった」と書きます。この段階では、事実のみを書いてください。
幼少期のことをあまり覚えていないという方は、少し恥ずかしいかもしれませんが、家族に聞いてみるのも良いでしょう。
それがどうしても嫌な場合は、無理に書かなくても問題はありません。ただ、思い出そうとする努力はしてください。
就職活動では、自分の過去を考えたり、話したりする機会がたくさんあるので、普段から思い出そうと努力していると、ふとした瞬間に過去の記憶を思い出せることがあるからです。
出来事に対して具体的にどのような感情を抱いたかを書く
出来事を書き上げることができたら、次にその出来事が起こったときに自分がどのような感情を抱いたかを書き出してみてください。
例えば、「幼少期に練習を頑張って、自転車に乗れるようになった」という出来事に対して、「嬉しかった」や、「楽しかった」などの具体的な感情を書きましょう。
出来事にどのような感情を抱いたかはひとりひとり違います。自己分析において、あなたの感じたことは全て正解なので、素直にそのとき感じた感情を書きましょう。
ただ、「自分のこのときの感情は「うれしい」や「かなしい」で表しきれない!」と思う方は、感情辞典と呼ばれる感情の言葉が書かれた辞典があるので、それを使って、自分の感情に合った言葉を探すのもおもしろいと思います!
【ステップ2】自分史を深掘りする
この段階では、ステップ1で作った自分史に対して、自分にインタビューするようにさまざまな質問をぶつけていきます。
深掘りをすることによって、自分の強みや価値観を見つけだすための情報をたくさん出していくのです。
例えば、「自転車に乗ることができてうれしかった」という自分史のエピソードに対して、「なぜ、うれしかったの?」と質問することで、「できないことができるようになったから」や「親に褒められてうれしかったから」などの答えが出てきます。
これらの答えが、このあと自分の強みや価値観をみつけていくときの材料になっていきます。
ただ、「具体的にどのように深掘りをすれば良いの?」と思いますよね。そこで、今回は自分史の深掘りで使える質問をご紹介しようと思います。以下の7つが深掘りに使える質問です。
- なぜその判断をしたのか
- なぜその感情になったのか
- なぜそれが好き・嫌いだったのか
- なぜそれを続けることができたのか
- なぜその事柄を始めようと思ったのか
- なぜその挫折を乗り越えることができたのか
- その感情をより具体的するとどうなるか
ぜひ、自分史を深掘りするときには、こちらの質問を使ってみてください。もちろんこれら以外の質問を考えて深掘りをしてもOKです!
【ステップ3】共通点を見つけだす
ステップ3では、ステップ1、2で出た自分の過去の情報の中から、共通点を見つけていきます。
例えば、2ステップ目までで、以下の2つのエピソードがあったとします。
- 「幼少期に毎日、自転車の練習をくり返して、自転車を乗れるようになったのが嬉しかった」
- 「高校時代、3Pシュートが上手になりたくて、毎日朝から100本シュートを打っていたら、チームで一番3Pシュートがうまくなって嬉しかった」
この2つからは、「毎日継続して何かを頑張った結果、成果が出て嬉しかった」という共通点を見つけることができます。
このようにステップ2までに出た過去から、共通点があるものをとにかく出していくことで、自分が日々繰り返している行動や思考の癖がわかってきます。
共通点があるか心配な方もいると思いますが、必ず共通点はあるので安心してください!
共通点があまり見つからない方は、ステップ2の深掘りが甘い可能性があるので、ステップ2に戻って、もう一度深掘りをしてみるのがおすすめです。
【ステップ4】共通点から強みや価値観を見つけだす
ステップ4は、見つけた共通点からあなたの強みや価値観を見つけていきます。
ステップ3で見つけた「毎日継続して何かがうまくなれるように頑張った結果、成果が出てうれしかった」という共通点で考えてみましょう。
その共通点からは、「物事を上手になるには継続することが大切」という価値観や「継続して物事に取り組める」という強みを見つけることができます。
ちなみに、価値観は強みを作るうえでの土台です。
具体的にいうと、「物事を上手になるには継続することが大切」という価値観があるから「継続して物事に取り組める」という強みがあります。
「物事を上手になるには継続は必要ない」という価値観の人からは、「継続して物事に取り組める」という強みは出てきませんよね。
しかし、ある価値観を持っているからといって、必ずそれに関連した強みがあるとは限らないので注意しましょう。
自己分析シートを書くときに心がけること
前の章では、自己分析シートを書く手順をご紹介しました。次に、自己分析シートを書くうえで心がけておくべきことをご紹介します!
ささいなことを書いても良い
部活動の大会で優勝したことや大学受験に失敗したことなど、一般的に大きな出来事と思われることしか自分史に書いてはいけないわけではありません。
- 高校時代に毎日日記を書いていたこと
- 小学校のとき〇〇君と喧嘩して悲しくなったこと
一見「こんな小さな出来事が自己分析の役に立つのかな?」と思うようなささいなことも自己分析シートに書いてみましょう。
なぜなら、あなたの頭の中に浮かんでいることは、実はどれもささいなことではないからです。
仮にあなたが20歳だと仮定すると、あなたは、20年×365日=7300日も生きていることになります。その長い日数の中から出てくるエピソードはあなたにとって非常に重要なものに違いありません。
そのため、自己分析シートを書いているときに思いついたことは、自信をもって書き込んでください。
それがあなたの特性(強みや価値観)をより深く知る鍵になります!
完全に主観で書いても良い
自己分析シートを書いていると「自分は本当にこのような強みや価値観を持っているんだろうか?」と心配になると思います。
もちろん、自己分析をしていくなかで、自分を客観的にとらえることは重要です。しかし、自己分析シートを就職活動の初期におこなう場合は、まずは自分の主観で書いて大丈夫です。
自分を客観的に分析するための自己分析は次の章で取り上げます。まずは、主観で良いので、自分の過去を言語化しましょう。
自己分析シートを書き終えたあとにすること
最後に、自己分析シートを書き終えたあとにすることをお伝えします!自己分析シートをするだけでは、自己分析は不十分です。
もう一度確認しますが、自己分析の目的は次の2つです。
- 自分の強みや価値観を知り、自身にあった仕事の仮説を立られる
- 自分の強みや価値観を知り、人に伝えられる
これらを達成するために、自己分析シートのあとにすべきことがあるので、それをご紹介します!
自己分析シートを更新し続ける
自分史を書くところでも述べたように、就職活動をしているうちに1回目の自己分析シートでは出なかった過去の経験やエピソードを思い出すことがあります。
そして、その思い出したエピソードは、あなたの強みや価値観につながっている可能性が十分にあります。
また、就職活動のなかで、自分に向き合うことが上手になるので、自己分析シートを作ったときには発見できなかった特性(強みや価値観)を見つけることができます。
そのため、自己分析シートを更新し、そこから新たな発見がないか確かめることがとても重要です。
はじめに行った自己分析シートと就職活動が終わったときの自己分析シートと見比べて、どれだけ自分が成長したか見てみるのもおもしろいですよ!
自己分析シートをもとに職種や業界を研究する
自己分析シートから職種や業界を研究することによって、自分に合う職種・企業の仮説を立てることができます。
具体的には、企業説明会に行ったり、社会人と話したりすることが重要です。
そのなかで、それぞれの職種・企業にどのような価値観の人が多くいるのか、どのような強みを持っている人が活躍しているのかの情報を集め、自分の自己分析シートと照らし合わせることで自分に合った職種や企業を見つけることができます。
また、その適性が合っているかわからない場合は、社会人の方に自分の仮説を聞いてもらいましょう。すると、その仮説が的を射ているか教えてもらえます。
業界研究についてはこちらもチェック!
他者に自己分析シートを見せる
自己分析シートを他人にみてもらうことで、自分では気づけなかったことを客観的に教えてもらうことができます。
自己分析シートをやったままにしておくと、どうしても自分の強みや価値観を見逃してしまうことがあります。
そのため、他者に自己分析シートをみせて、自分では気が付いていない自分の価値観や強みを指摘してもらうのはとても重要です。
誰に見せるのが良いのか、疑問が生じると思います。単純に自己分析シートに対して、どう思ったかを言ってもらいたい場合は、誰でも良いです。
しかし、自己分析シートをみて、一緒に自分の過去を話したい場合は、友人や親族に見せるのが良いでしょう。
逆に、自己分析シートをみて、どのような職種・企業があっているかアドバイスが欲しい場合は、社会人の方に見てもらうのがおすすめです。
目的に合わせて、見てもらう人を変えましょう!
まとめ:自己分析シートを使って、自分の強みを発見しよう!
今回は、自己分析シートの書き方をご紹介しました。就職活動を始めたばかりだと、何をして良いか分からなく不安ですよね。
そのようなときは、今回紹介したように自己分析シートをまず活用してみてください!自己分析シートを作れば、必ずそのあとの就職活動が進めやすくなります。
自己分析シートの手順をまとめると次のようになります。
- 自分史を書く
- 自分史を深掘りする
- 共通点を見つけだす
- 共通点から強みや価値観を見つける
この手順を踏まえて自己分析シートを書くことで、必ず強みや価値観を知ることができます。
また、強みや価値観が見つかったあとは、企業研究やOB訪問をしたり、自己分析シートに客観的な意見をもらったりして、自分に合った職種や企業を見つけてください。
あなたの就職活動が成功することを願っています!