就活をしていると、健康診断書の提出を指示されることがあります。
「就活で必要になるから、4年の健康診断は受けておいた方がいい」
と先輩から言われた人や、
「健康診断書の内容も選考に含まれるの?」
「健康診断の結果が悪いと内定取り消しにされる?」
と不安に思う学生もいるかもしれませんが、健康診断書は内定には一切関係ありません。
「労働安全衛生法」という法律で、新しく雇う従業員は、雇う直前または直後に「雇い入れ時健康診断」を受けさせるように定められているのです。
- 健康診断が必要になる時期
- 健康診断書の発行方法
- 大学で健康診断を受けていない場合の対処法
健康診断のことは、知っておいて損はありません。まだ健康診断書を求められていない学生も、ぜひこの記事を読んで、就活の際の参考にしてくださいね!
健康診断書を提出するタイミングは?
企業によっても、健康診断書の提出を求めてくるタイミングはさまざまです。
「必ず〇〇のときに提出する」決まりはありません。
選考途中
一部の企業では、1次面接や2次面接、最終面接で履歴書や成績証明書と一緒に提出を求められます。
このときも、基本的には内定に関係しないので安心してください。
提出の際はクリアファイルに入れ、面接官に対して両手で丁寧に渡してくださいね!
内定後
最も多いのが、内定後に提出するパターンです。
この場合、内定承諾書などと一緒に提出を求められます。
内定には直接関係ないものの、このときに提出期限を破ったり、提出のマナーがなっていなかったりすると入社前からあなたのイメージが悪くなってしまう可能性もあります。
内定後でも気を抜かず、締め切りとマナーは守りましょう!
提出のマナーに関しては、記事の後半でも解説しているのでしっかりと確認してください。
提出が求められない場合も
なかには、健康診断書の提出が必要ない企業もあります。
内定後のタイミングで提出しない場合は、入社後に健康診断を受けることになります。また、企業の従業員規模によっては、そもそも健康診断書を必要としない場合もあるので、「入社前には絶対に健康診断がある」と思う必要はありません。
私もいくつか企業を受け、内定をいただきましたが、健康診断書は提出しませんでした。
健康診断書は大学のものでOK
大学生の場合、健康診断書は大学で受けたものを提出するのが基本です。
民間の医療で健康診断を受診することは可能ですが、費用は5000円〜1万円ほどかかります。
ただでさえ交通費やスーツ代などで費用がかさむのに、健康診断でさらに費用がかかるのは大変ですよね。そのため、できるだけ大学で健康診断を受けておきましょう。
大学で受けたものの発行方法
多くの大学では、4年生のみ健康診断書の自動発行機を使用できますが、大学1~3年生は専用の窓口への申請が必要になります。
自動発行機や窓口は、平日夜や土日は発行不可である場合も多いです。時間帯は大学によっても異なるので、必ず事前に確認しておきましょう。
授業で大学に行ったタイミングで、あらかじめ何枚か取得しておくのもよいです。
年度内に受診したものを使用
基本的には、「健康診断は3ヶ月以内に受けたものを発行」とされていますが、大学で受けたものに関しては3ヶ月以内ではなくても大丈夫。
年度内に受診した健康診断であれば問題ないので、新たに医療機関で健康診断を受け直す必要はありません。
年度内とは、その年の4月から翌年3月のことで、例えば2022年度であれば、2022年4月から2023年3月までを指します。
基本的に大学の健康診断は4月におこなうことが多いと思いますが、4月に受けた健康診断は、翌年の3月までは有効と考えて大丈夫です。
発行には200円程度の手数料が必要
健康診断書の発行には200円〜500円の発行手数料が必要です。
「和文」と「英文」がありますが、就活の際は「和文」を発行します。
英文の健康診断証明書は、主に海外旅行の際に使用するものです。
以下に、健康診断証明書の発行方法や手続きをまとめました。内容は大学によっても異なるので、必ずあなたの大学のホームページを確認してくださいね!
(例)法政大学
発行場所 | 4年生・院生は自動発行機
1~3年生はキャンパス内診療所窓口に申請が必要 |
発行手数料 | 1通200円 |
注意点 | 日曜祝日は自動発行機の使用不可 |
参考:健康診断証明書について
民間の医療機関で受けたもので代理も可能
「予定が入っていて、大学で健康診断が受けられなかった」
「大学の健康診断をすっかり忘れていた!」
なんていう方もいらっしゃると思います。
その場合は、民間の医療機関での受診も可能です。
ここでは、民間の医療機関で証明書を発行するために必要な期間や料金などを紹介していきます。
自費で受ける場合は1万円程度かかる
診断料は検査項目によっても異なりますが、保険適用外なので、受診には1万円程度かかってしまうこともあります。
下記表の場合、「診断C」の項目が一般的に必須とされる項目ですが、企業の方に健康診断書として必要な検査項目を確認しておくと良いでしょう。
もし、もっとも簡易的な検査である「診断A」でよければ、「診断C」を受けたときよりも4000円近く安くなります。
(例)豊島健康検査センター
料金 | 所要時間 | 検査内容 | |
A | ¥6,410 | 60分 | 問診・身長体重・血圧・視力・聴力・X線・尿検査 |
B | ¥8,280 | 60分 | 問診・身長体重・血圧・視力・聴力・X線・尿検査・肝機能・脂質検査・糖代謝・貧血検査・採血料 |
C | ¥10,150 | 90分 | 問診・身長体重・腹囲・血圧・視力・聴力・X線・尿検査・肝機能・脂質検査・糖代謝・貧血検査・採血・心電図検査 |
発行には長くて1ヶ月かかる場合も
健康診断受診後は、すぐに証明書を受け取れるわけではありません。
たとえば、上記で紹介した豊島健康診査センターのホームページには、受診から発行までに3日〜14日かかると記載されています。
受診機関によっては、発行まで1ヶ月近くかかってしまう場合もあるので、提出の締め切りはよく確認しておきましょう。
就活で健康診断書提出時の3つの注意点
ここからは、健康診断証明書を提出するときの注意点を紹介していきます。
コピーは不可!必ず原本を提出しよう
健康診断書は、原則コピー不可です。
健康診断に限らず、企業に提出するものは基本的に原本を提出するようにしましょう。
ただし、企業によってはコピー可とされている場合もあります。
資料はよく読み、企業側の指示に従うようにしてくださいね。
「健康診断証明書」を提出しよう
大学で受けた健康診断の書類を発行しようとすると、「健康診断証明書」と記載されているところもあります。そもそも「健康診断書」と「健康診断証明書」はどう違うのでしょうか?
簡単に説明すると、自分用か企業用かという違いです。
健康診断書 | 医師が発行した診断書で、診断結果を自分で確認するための書類 |
健康診断証明書 | 提出用に捺印された文書 |
大学で発行し、企業に提出する場合は、「健康診断証明書」で問題ありません。
また、病院で受診する場合は「健康診断結果報告書」を渡される場合もありますが、こちらでも基本的に問題ありません。
もし不安であれば、大学職員や病院の方に「就活で企業に提出する書類なのですが」と聞いてみてくださいね。提出に必要な体裁で健康診断書を用意してくれると思います。
2~4月は要注意!混雑で待たされる可能性も
入社前に健康診断を受診する人も多いので、2月から4月は特に混雑すると言われています。
病院が混雑するのはもちろん、発行までに1ヶ月近くかかってしまうことも。
「健康診断書は、すぐには発行できない」ことを覚えておきましょう。
【健康診断の提出方法】提出のマナーを確認しよう
ここからは、健康診断証明書を提出するときのマナーを紹介していきます。
健康診断書を郵送するときは、
- 宛名は正しく書く
- クリアファイルに入れる
- 添え状を添付する
- 切手代は不足させない
といったことに注意しましょう。
また、手渡しするときのポイントも解説していきます。
添え状は必ずつけよう【テンプレ付き】
書類送付の際、添え状は必須です。
添え状は郵便1通に対して1枚必要になります。たとえば、成績証明書や内定承諾書と一緒に郵送する場合はすべてを一つの封筒にまとめて入れ、1枚の添え状を添付しましょう。
ただし、添え状は郵送のときのみに必要なものです。
内定式などで手渡しする場合は必要ないので注意してください。
開封厳禁!封はしたまま提出しよう
健康診断証明書は、基本的に封された状態で渡されます。
特別な指定がない限り、開封はせずにそのまま提出しましょう。封を開けていないことで、偽装されていない公的な書類として扱われます。
また、郵送する場合は、一緒に提出する書類も含めてクリアファイルにはさみ、郵送用の封筒に入れましょう。
郵送用の封筒は角2型で、白がおすすめですが、茶色でも問題ありません。
角2封筒は「定形外郵便物」の扱いになるため、
- 50g以内:120円
- 50g~100g:140円
の切手代が必要です。
また、+260円で速達も可能です。速達は土日も配達してくれるので、早ければ翌日には届けられます。
提出前の最終チェックポイント
最後に、健康診断書を提出する前のチェックポイントをご紹介いたします。
- 締め切りには間に合うか?
- 「健康診断」ではなく「健康診断証明書」を発行しているか
- コピーではなく原本か
- クリアファイルに入れたか
郵送の場合
- 切手代は足りているか
- 添え状は付けたか
- 会社名など、宛名は間違っていないか
健康診断書が間に合わないときの対処法
「健康診断書のこと、すっかり忘れていた!」
なんていうこともあるかもしれません。
そんなときは、いち早く企業の方に連絡するのが大切です。
健康診断書は内定に関係ないので、いますぐに必要な企業はあまりないはず。きちんと話をすれば、少しは提出を待ってくれるかもしれません。
即日発行可能な病院が近くにないか確認してみよう
「健康診断書 当日発行 〇〇(地域名)」で調べると、当日発行可能な病院もいくつかヒットすると思います。
採血不要な検査であれば当日発行、採血が必要な場合でも翌日発行できるところもあるので、提出までに1週間程度余裕があれば間に合うかもしれません。
ただし、即日発行には追加料金が必要な病院も多いです。いずれにせよ、はやめに検査を受けて発行しておくのがよいでしょう。
いつまでには用意できるのか、明確にしよう
提出が遅くなってしまう場合は、いつまでに提出が可能なのかを明確にしましょう。
たとえば、大学側の都合で健康診断の実施が遅れ、それにともなって発行も遅れてしまっている場合があるかもしれません。その場合は、大学側に企業に提出する必要があることを伝えたうえで、いつなら発行できるのかを教えてもらいましょう。
また、病院で健康診断を受ける場合も、いつ頃発行可能なのか聞いてみてください。
とにかく企業の人に連絡しよう
提出が遅れることがわかった時点で、企業に連絡を入れましょう。
電話での連絡がベストですが、何通かかけてもつながらなかった場合はメールでもかまいません。
連絡する際は、
- 遅れてしまった理由
- 提出可能な日
を伝えましょう。
まとめ
今回の記事では、就活で必要な健康診断書についてお話してきました。
繰り返しお伝えしてきましたが、健康診断書は、内定とは関係ありません。その会社に雇用されるために必要なものなので、安心してくださいね。
健康診断書の発行方法は、
- 大学
- 病院
の2つがありました。
大学なら、健康診断書を安く簡単に発行できます。大学の健康診断は忘れずに受診しておきましょう!
病院で発行する場合は、時間がかかってしまいます。必ず締め切りから逆算して、間に合うように診断を受けに行ってくださいね。