春学期も終了して、夏休みに突入。
プライベートを満喫している中、SNSで流れてくる同級生の投稿を見ると、就活、選考、インターンの文字がちらほら。
「そもそもインターンって何?」
「インターンっていつから始まるの?」
タイムラインを見ながら、そう思われる方も多いのではないでしょうか?
今回の記事では、インターンとは何か、開催時期はいつ頃なのかといった疑問を解決していきます。
インターンとは
インターンとは、インターンシップの略です。
日本語では「就労体験」といい、企業が学生に対して実際の仕事の内容や雰囲気を理解してもらうためにおこないます。
もともと、インターンの目的は仕事を体験することでした。しかし近年は、企業が就活生への説明会を兼ねておこなうものや、会社の特色を押し出したもの、合宿形式でおこなうものなど、さまざまな種類のインターンがあります。
「インターンに種類がたくさんあるなんて・・・」
と思われたかもしれませんが、大丈夫です。
ここからは多種多様なインターンについて理解していただけるように、わかりやすく説明していきますね。
サマーインターン
サマーインターンは学生の夏季休暇に合わせておこなわれるインターンです。
サマーインターンの内容は、開催する企業の説明や、仕事内容の理解を促すワークを取り入れたものが多く見られます。
具体的には、企業の事業内容を反映したグループワーク、架空のプロジェクトチームとして企業へ新規事業提案をおこなうもの、営業に同行してクライアントの要望を聞いてくる業務体験などがあります。
2021年の株式会社ディスコのリサーチ(※1)によれば、インターンシップを体験した学生のうち、グループワークを体験した学生は77.8%にものぼるとされています。
※1 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
日数は比較的短いものが多い傾向にあります。最短のもので半日、長くても2週間程度の日数で収まる場合が多いようです。
2021年の株式会社ディスコのリサーチ(※2)によると、学生の参加日数別で最も多いのは「半日」が多く39.3%、続いて多いのが「1日」で25.0%と報告されています。
※2 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
ウィンターインターン
ウィンターインターンは秋から冬季にかけておこなわれるインターンです。
一部、早期のウィンターインターンを区別して、オータムインターンと呼ばれるものもあります。
ウィンターインターンの内容はサマーインターンとおおむね同じです。
異なる点として、ウィンターインターンは、企業の選考の時期が近い関係から、企業説明の内容が多くなったり、社員との座談会が催されたりすることが多いようです。
実際に私が就活生だった時も、サマーインターンほど会話や議論をするワークは見受けられず、肩慣らし程度のものが多かったように思います。
サマーインターンと同様、開催日数は短期のものが多い傾向にあります。
就活会議とHR総研の共同レポート(※3)によると、学生の参加日数別で最も多いのは「1日」で82.0%。続いて多いのは「半日で」57.0%となっています。
※3 出典:就活会議とHR総研の共同レポート
長期インターン
長期インターンは、基本3ヵ月以上の継続した就業をするインターンです。
サマーインターンやウィンターインターンとは次の3つの点で異なります。
- 期間
インターンは数時間、数日間といった短期でした。
一方で長期インターンは、Infraや、キャリアバイトといった長期インターン掲載サイトをみると、3ヵ月~半年間以上企業に携わることが求められます。
- 参加学年
株式会社ディスコの調査(※4)によると、サマーインターンやウィンターインターンに参加する学生は3年生以上に偏っています。
※4 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
また一部企業では、企業説明会を兼ねる都合から、参加できる学年を卒業年度で指定する場合も比較的多く見られます。(例:~2023卒までの学生さんが対象ですなど)
一方で、長期インターンを受け入れる企業は、参加学年を設けていない場合がほとんどのため、大学1年生からでも参加できるのが異なる点です。
- 業務
業務内容が本格的になるのも、長期インターンの特徴です。サマーインターン・ウィンターインターンの内容は、企業説明、社員との座談会、グループワークといった「理解」「体験」に重きを置いたものでした。
しかし、長期インターンはその就業期間の長さから、実際の業務を任せてもらえることが多いです。
エンジニアの企業であれば、教わりながらプログラミングに携わったり、ベンチャー企業であれば、役員と一緒に業務ができる機会も与えられたりするケースもあるようです。
株式会社トレイムの調査(※5)によると、学生が長期インターンで経験した職種で最も多いのは営業(32.1%)、次に多いのが企画(20.3%)と報告されており、多くの経験を詰むことができるのが特徴で、給与が発生する場合も多いです。
※5 出典:長期インターンの調査(株式会社トレイム)
インターンの参加に向けて準備するべき3つのこと
ここまでインターンシップの説明をおこなってきましたが、実際に参加するためにはどのような準備が必要なのでしょうか?
サマーインターンとウィンターインターンの参加までの手順について解説していきますね。
参加する企業の選定
最初に、参加する企業の選定です。
これはなるべく多くの企業を見ることが望ましいといえます。
2022年度卒の学生の平均インターン参加社数は、4.5社という報告もあり、積極的にインターンシップに参加し、企業や業界の理解を深めていく動きがトレンドです。
しかしここで注意して頂きたいのは
- なんとなく就活サイトでみかけたから
- なんか聞いたことがある企業だから
といって選ぶのはおすすめしないということです。
もちろん、全ての企業がインターンを開催するわけではありませんが、法務局の登記データ情報(※6)によれば、現在国内にある企業数は400万社弱といわれ、選ぶ理由、基準を皆さんの中に持っておかないと、情報を見るのも一苦労、といった状態ですよね。
※6 出典:国内の企業数
先輩たちは、実際にどのような観点で選んだのでしょうか?
キャリタス就活 2022 インターンシップ特別調査レポート(※7)によると、「インターンシップ先を探す際の条件」のなかで「とても重視した」の回答数が多いものを見ていきましょう。
※7 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
- 学業に支障が出ないこと(両立できること)
- プログラム内容の詳細が記載されていること
- 実践的な仕事を経験できること
と上位3つが報告されています。
まずは学業の都合を優先し、テストの日程と被らないか、確認することが大切です。また貴重な時間を使う上で、よりよい経験が積めそうなプログラムかを念頭において、参加する企業を選定するようにしましょう!
実際にインターンを探す際の王道は、やはり就活情報サイトです。
リクナビ、マイナビといった大手の就活サイトから、ベンチャー企業に特化した就活サイトまで幅広く存在するため、ぜひ一度覗いてみてください。
また気になったインターンがあれば、情報サイトだけでなく、企業の公式ホームページもみて、より詳細な情報をつかむようにしていくと良いですね。
選考対策
次に選考対策です。
「え、入社するわけじゃないのに選考あるの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
就職ジャーナルの調査(※8)によると、インターンシップで選考をおこなう企業は52.9%と言われており、半数程度、対策が必用な企業があるといえます。また、書類選考のあとに面接を設ける企業もあるようです。
※8 出典:就活ジャーナルの調査
人気企業、大手企業になると倍率は高まる傾向にあります。かなり極端な例ですが、大手の外資系マーケティング企業P&Gの選考倍率は300倍~1000倍ともいわれています。
「選考」「○○倍」と聞くと急に不安になるかもしれませんが、大丈夫。
まずは一歩一歩対策を進めていくことが大切です。まずは書類選考に使われるES(エントリーシート)の書き方から対策を始めましょう。
必要な持ちもの・準備物
企業を選び、申し込みや選考を受けたら、次は当日に向けての準備です。
インターン当日に忘れものをしてしまうと、企業の方に迷惑をかけるだけでなく、不利な状態でワークをおこなうことになります。
当日まで気を抜くことなく、準備をするようにしましょう。
最近ではコロナの影響もありオンラインでインターンをおこなう企業も多いため、オフラインとオンラインのケースに分けて説明していきますね。
オフラインの場合
オフラインでは、「服装」と「持ちもの」に気を遣う必要があります。
まずは服装ですが、インターンに参加する企業が決まった段階でメールなどの連絡があるため、そちらを確認しましょう。企業から送られてきたメールに服装の指定があるはずです。
「自由な格好で」「涼しい恰好で」と記載があれば男女ともにオフィスカジュアルが好ましいです。もし指定が無ければ、基本的にリクルートスーツで行くのが無難です。
また、身だしなみとして腕時計やハンカチもお忘れなく。
次に持ちものですが、「筆記用具・ノート」は必須です。説明内容が理解しやすくなることはもちろんのこと、真面目に話を聞こうという姿勢が伝わるため、印象も良くなります。
また、スマートフォンがあると非常に便利です。何かと役立つ場面は多く、急な遅刻の時の連絡や、会場周辺で道に迷ったとき、現地のグループワーク中に時間を計る際などに使えます。
その他、「パソコン」や「クリアファイル」、女性の場合は「替えのストッキング」があるとよいでしょう。
オンラインの場合
オンラインでは、上記の服装や持ちものに加えて、インターネット環境の準備が必要です。
最近は大学もオンラインで授業をすることも多いですが、あらためて「通信環境」「背景」には再度気を払う必要があります。
通信環境が悪いと、会話をしにくかったり、社員の方の説明が聞き取りづらくなったりしてしまいます。あらためて自宅や、参加しようとしている場所の通信環境を十分に確認しておくようにしましょう。
ZOOMの設定やテストの仕方についてはこちらで詳しく解説しています!
背景については、基本的に背景の壁に何もない状態が無難です。部屋の様子がうつると、他の参加者の気が散ってしまいます。
さらに、片付いていない部屋が映ってしまうと、企業の方からの印象「だらしない子なのかな」と思われてしまうかもしれません。
オンラインのインターンに参加する場合は、部屋をきれいに片付け、背景に無駄なものが映らない場所を用意しておくことがポイントです。
インターンはいつから始まる?
ここまではインターンに関する事前知識をお伝えしました。
ここからは実際の開催時期や、いつから申し込めばよいのか、いつから準備を始めればよいのかについて説明します!
インターンの実施時期・申し込み時期
サマーインターン・ウィンターインターンの開催時期には偏りがあることをご存じでしょうか?
2022年度卒の先輩の動きを参考にして、サマーインターン、ウィンターインターンに分けて、行動に移していくスケジュールを見ていきましょう!
サマーインターンのスケジュール感
まずサマーインターンの開催時期ですが、2022年度の動向を見てみましょう。
株式会社ディスコのリサーチ(※9)によると、学生のサマーインターンへの参加時期は8月から9月頃に集中しています。年間におこなわれるインターンの中でも、8月から9月に開催されるものは36.8%を占めていると報告されています。
※9 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
また、インターンに関する情報を探し始めた時期は、大学3年生の5月から徐々に増えていくという結果が示されており、選考が早期化している印象を受けます。
上記を踏まえて全体の流れをまとめると、
「6~7月中旬」:選考がある企業のES(エントリーシート)選考がスタート
「7月中旬~8月初旬」:書類選考から面接選考
「8月初旬~9月末」:選考合格者や申し込み者の参加
といった形になります。
選考がない企業があるのはもちろんのこと、通年でインターンを開催する企業もごく一部存在するため、例外はあります。
おおむねこの流れで進んでいくことを念頭において、いまから対策を進めて行く必要があるでしょう。
ウィンターインターンのスケジュール感
株式会社ディスコのリサーチ(※10)によると、学生のウィンターインターンへの参加時期はサマーインターンほど集中しておらず、11月から2月の間での比較的まばらな参加が目立ちます。
※10 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
年間に開催されるインターンのなかでも、11月から2月におこなわれるものは46.4%と報告されています。
特に多いのは2月で、年間の15.3%と同リサーチで示されています。
上記を踏まえて全体の流れをまとめると、
「11月~12月頭」:選考がある企業のES(エントリーシート)選考がスタート
「12月頭~1月初旬」:書類選考から面接選考
「1月初旬~2月末」:選考合格者や申込者の参加
といった形になります。
私が就活生の頃は、サマーインターンこそ張り切ってたくさん参加したものの、「ウィンターインターンって冬だし、1月くらいかな」と勝手に思った結果、年明けから受けられる企業がほとんどありませんでした。
ウィンターインターンの対策も先手を打って進めていきましょう。
インターンに参加するメリット3つ!
ここまではインターンシップ全体の概要について説明してきました。
「正直企業の人と話すのは緊張するし、行かなくてよいかな」 という気持ちが出るかもしれませんね。
しかし、そういった気持ちを乗り越えてでも参加すべきであるといえます。そこで、インターンシップに参加すると得られるメリットについて説明します。
本選考の練習になる
1つ目のメリットとしてES(エントリーシート)作成、面接やグループワーク、グループディスカッションといった一連の流れ自体が、そのまま本選考の練習になるということが挙げられます。
特に就活を通して聞かれがちな「あなたは将来何をしたいですか?」「○○年後、どうなっていたいですか?」といった質問には、あなたの意思を感じさせる一貫した回答が必要です。
きちんと言語化し、相手に伝わるようにするためには、なるべく長く時間をとり、たくさんの質問を浴びながら深めていくことが大切です。
また、インターン本番や選考中のグループワークではフィードバックやアドバイスを頂けることもあります。
普段は直接話せない人事の方に直接アドバイスを頂くことで、本選考までにレベルアップすることができます。
場数を踏むという意味でも、インターンへは早いうちから参加をすることをおすすめします。
企業の様子や雰囲気の理解が深まる
2つ目のメリットとして、実際に企業の様子をのぞいたり、企業が用意したグループワークを通して、より事業や企業、業界の理解が深まることもメリットです。
キャリタス2022の調査(※11)では、インターンを通して社員との接点があったと肯定的な内容の回答が86.8%を占めています。
※11 出典:インターンシップに関する調査(株式会社ディスコ)
インターンに参加した学生はそうでない学生に比べて、業界への興味が上昇しているというデータもあります。社員さんの様子や、ワークを通して仕事の楽しさを理解できるというメリットも挙げられます
インターンに行ってみた結果、
「なんか違うな」
「この業界向いてないかも」
と思ったとしても、それもまた収穫です。ぜひ積極的にチャレンジしてみましょう。
就職活動が進めやすくなる
3つ目のメリットとして、その後の就職活動が進めやすくなることがあげられます。
インターンに参加すると、当日のグループワークでの働きぶりや、積極的な質問の姿勢を通して、人事の方にアピールをすることができます。
実は、インターン参加者や当日のパフォーマンスに応じて特典を用意する企業も多いといわれています。
具体的には、
- 本選考の案内が優先的に来る
- 一次面接免除といった選考優遇ルートが用意される
- 先輩社員のリクルーターがつく
といったものがあります。
また、他社のサマーインターンに参加していることで、積極性や能力のある学生だとみなし評価する企業もあるため、参加した企業以外へのアピール材料になることもまたメリットです。
さらに、早期から就活に取り組んでいる学生はやる気や意識が高い学生が多いため、SNS等でつながることで、選考の情報等やコツなどを情報交換しながら就活を進めて行くことができます。
まとめ
今回は、就活のなかでよく聞くインターンについて解説してきました。
インターンにはサマーインターン、ウィンターインターンがあり、事業内容や、企業の雰囲気の理解につながります。参加に向けて服装や持ちものの準備が大切であること。
インターンへの参加がそのまま就活全体にポジティブな影響があることとその理由を理解して頂けたなら、うれしいです!
就職活動は、自分の人生や方向について聞かれたり、どのような職場があっているのだろうかと考えたりすることで、自分自信を成長させていくことができる人生のコンテンツです。
今回説明したインターンのコツやスケジュールを抑えて、是非就職活動を楽しんでみてくださいね!
インターンでは「座談会」も開催されます。こちらの記事をチェックして質問を準備しておこう