面接中に面接官の態度や反応が気になって、不安な気持ちになる人や集中できなくなる人も少なくないのではないでしょうか。
また、面接が終わったあとも落ちたのではないかと暗い気持ちになったり、結果が気になって切り替えられなかったりすることもあると思います。
しかし、落とされるサインだと思っていたものが、実は受かるサインの場合もあります。
私も就活生の頃、「絶対落ちた……」と思った面接が、実は好成績で合格していたことがありました。
実際に
という就活生の声をよく聞きます。
そこで、この記事では面接で落とされるサインと受かるサインに加え、実は合否に関係ない勘違いされやすいサインをご紹介します。
学生の立場と採用する人の立場では見方が違うので、ぜひこの記事を読んで面接官のサインの意図を理解しましょう。
また、面接中に落とされるサインを感じたときにどう対処するかも合わせてご説明します。
面接で落とされるサイン10選
ここでは、面接で落とされるサインをご紹介します。
合否の基準は企業や面接官によって変わりますが、一般的にこのサインがあれば落とされる確率が高いと言われている項目です。
面接官がメモを取らない
面接中、面接官がメモを取っていない場合、あとで判断する必要がないと思われている可能性があります。
人事や担当者に合格の理由を説明するためや、合否判断を悩んだときの判断材料にするため、合格にする可能性がある学生はメモをとることがほとんどです。
また、興味のある学生はメモをもとに質問し、どのような学生か知ろうとします。
メモを取る気がなさそうなときや、途中から取らなくなったときは落とされるサインの可能性が高いでしょう。
しかし、面接中はメモをせず会話に集中し、面接後にまとめて記録する面接官もいます。
また、最終面接では採用権限のある人が面接官の場合や、本人の意思を確認する目的のみの場合、メモをしないことがあります。
定番の質問しかされない
2つ目のサインは、「ガクチカや自己PR、志望動機など定番の質問しかされない」です。
そもそも面接の目的には以下の3点があります。
- エントリーシートの内容と話していることに一貫性があるか
- 自社で活躍してくれそうか
- 入社したら辞めないか
これらを確かめるために、エントリーシートですでに知っている定番の質問だけでなく、学生の人柄や熱意まで知ろうとさまざまな質問をするはずです。
それにもかかわらず、ガクチカや自己PR、志望動機などエントリーシートに書いた内容しか聞かれなかった場合は、不合格かもしれません。
しかし、企業によっては質問項目が決まっている場合があるのでこれも一概にはいえません。
回答への深掘りがない
質問の返答に対して深掘りされずに浅い会話で終わる場合は、興味を抱かれていない可能性があります。
例えば、大学で気になる人と会話しているときや、飲み会で興味のある話題が出たときなどは、「それってどういうこと?」「そのあとどうなったの?」のように深掘りをして話を広げると思います。一方で知らない人が自分の興味のない話をしてきても、自分から積極的に話を広げようと思わないですよね。
面接官も、一緒に働きたいと思っていれば、その学生がどのような人か深掘りして知ろうとするはずです。
そのため、深掘りがされない場合は自社と合わないと判断されていたり、回答の質が悪いなどの理由で時間を割く必要がないと思われた可能性が高いでしょう。
面接官の反応がそっけない
質問の回答に対して「そうですか」「わかりました」など、面接官の反応がそっけないというのは落とされるサインの可能性があるといえるでしょう。
まったくタイプじゃない人にアプローチされてそっけなくすることがあっても、好きな相手や気になっている相手と会話をしていてそっけなく返す人は少ないですよね。
面接も同じで、見込みのある学生に対してはそっけなく返すことは少ないです。
しかし、面接官によっても性格はさまざまです。
また、見込みのある学生に対してそっけない態度をとることで、ストレス耐性を見る企業もあります。
面接官と目が合わない
「話しているときに面接官と目が合わない」というのも落とされるサインです。
面接官のなかで不合格が決まると、話を聞くのが面倒になり、上記で説明したようにそっけなくなったり、書類を見ている振りをして聞き流したりしてする面接官も少なくありません。
特に、面接の途中から明らかに目が合わなくなった場合は落とされる可能性が高いでしょう。
面接時間が極端に短い
面接時間が極端に短い場合も、落とされる可能性が高いです。
上記でご紹介したようにあなたに関心が薄く、質問があまりなかったり、深掘りがされなかったりする場合は面接時間も短くなります。
ただし、面接は余裕を持って時間設定をされている場合が少なくありません。短時間で十分伝わったため、予定時間より短くなる可能性もあります。
入社するメリットを伝えられない
「入社するメリットを伝えられない」というのも、落とされるサインの可能性があります。
企業は、選ぶ側である一方で選ばれる側でもあります。
自社に入ってほしいと思っている学生には、面接を通して入社するメリットなどを伝えて魅力付けをするのです。
そのため、入社するメリットを伝えてもらえなかった場合は、自社の情報を教える必要や、アピールする必要がないと思われていることが考えられます。
しかし、これは面接の段階にもよるでしょう。「入社のメリットを伝えられなかった=不合格」というわけではありません。
逆質問の時間がない
逆質問の時間が設けられていない場合は、不合格の可能性があります。
逆質問は、学生と企業の考えの違いを埋める目的があります。
企業は採用した学生に、入社後長く働いてもらうことが目的なので、逆質問は重要な時間なのです。
その逆質問の時間が設けられないということは、「どうせ不合格だから逆質問の時間は必要ない」「面接をはやめに終わらせたい」と思われているかもしれません。
また、逆質問の機会があったとしても、丁寧な回答が得られない場合は、同様に落とされている可能性があるでしょう。
今後の話が出ない
次の選考スケジュールや採用後の流れ、入社後のビジョンなど、今後の話が一切出ないというのも落とされるサインの可能性が高いようです。
ただし、次の選考スケジュールは後日メールや電話で連絡し、採用後の流れは合格通知の際に話される場合もあります。
そのため、面接官から今後の話がでなくてもあまり気にしなくてよいですが、自分から今後の話を聞いたときに適当に返されたり、流される場合は要注意です。
企業や業務に関係ない話が多い
面接中に企業や業務に関係ない趣味の話などで盛り上がる場合があります。
一見、面接官と楽しく話せているので、受かるサインではないかと思う人もいますが、そうではありません。
面接官のなかには落とすと決めていても、企業に悪い印象を持たれたり逆恨みされたりするのを防ぐために、会話を盛り上げる場合が少なくないからです。
面接で受かるサイン10選
次に、面接で受かるサインをご紹介します。
面接時間が長い
落とされるサインの1つに「面接時間が極端に短い」とありましたが、逆に面接時間が長ければ受かる可能性が高いといえるでしょう。
面接官があなたに興味を持ってたくさん質問をしたり、深掘りをしたりしていると面接時間が長くなることがあります。
「なんで?」と追及するのは学生を責めたり粗を探そうとしているわけではなく、自社に合う人物なのか、どういう人なのかを知ろうとしているのです。
質問の回答にポジティブな返答がある
質問の回答に対してポジティブな返答がある場合も、合格の可能性が高いです。
これは、学生の話をしっかり聞き、共感してくれている証拠ともいえます。あなたに興味関心を持っている可能性が高いです。
ただし、傾聴力に長けており、どのような意見でも受け入れ共感できる面接官もいることは覚えておきましょう。
企業や職種に適性があると言われる
その企業や職種に適性があると言われるというのも、受かるサインの可能性が高いようです。
「弊社の社風と合ってるね」「あなたの強みはこの業務で活かせそうだね」など、自分の性格とその企業や職種がマッチしている趣旨の発言があったなら、好感触だといえるでしょう。
この際に謙虚になりすぎる人もいますが、素直に受け止め、「ありがとうございます」「光栄です」「恐縮です」と答えるのが望ましいです。
他社の選考状況を聞かれる
選考を受けている他の企業や、その選考状況を聞かれた場合は、合格の可能性があります。
企業は取りたい学生が他社に流れてしまうのを防ぐために、他社の選考状況を聞いていることが多いからです。
嘘をつく必要はないですが、志望動機がブレないように、ここでは基本的に同じ業界や職種の他社を答えるのがベターです。
企業によっては、全学生に聞いている場合もあるので、他社の選考状況を聞かれたからといって油断しないようにしましょう。
FBやアドバイスをくれる
面接のフィードバックや、次回のアドバイスをくれた場合は合格である可能性が高いです。
「もっと志望動機を詰めたほうがいいよ」などのフィードバックは、面接を受けている学生からするとダメ出しに聞こえ、自信を失くしてしまう人もいると思います。
しかし、落とそうとしている学生にわざわざ時間をとって自社のイメージを落とすようなことはしません。そのため、フィードバックやアドバイスをもらった際は、次の選考でも受かるために言ってくれていると自信を持ってよいでしょう。
次の選考のスケジュール調整をおこなう
面接の場で、そのまま次の選考のスケジュール調整が行われる場合も、受かる可能性が高いです。
その場でスケジュール調整をおこなう1つの意図は、採用したい学生に次の選考も確実に来てもらうためです。
落とすつもりの学生と次の選考のスケジュール調整をおこなうのは、時間の無駄になりますよね。
ただし、合否を悩んでいる学生にも聞いているケースは多いので、これがあったからといって浮かれすぎないようにしましょう。
入社前研修や懇親会の説明や案内がある
「内定後の入社前研修や懇親会の説明や案内がある」というのも、合格のサインの1つです。
「内定を出した場合、本当に自社に入ってくれるのか」と学生の入社意欲を確かめる目的があります。
不合格にする可能性があれば、このような説明や案内はしないでしょう。
最終面接で勤務地や勤務場所の確認がある
最終面接で勤務地や勤務場所の確認があった場合は、合格の可能性が高いといわれています。
「勤務場所が〇〇になっても、勤務できますか?」などと聞かれたら、入社してもらうにあたっての最終確認のようなものだといえるでしょう。
しかし、ここで「NO」という回答をすれば、「YES」と答えた他の人が受かり、落ちてしまう可能性があります。
よほどの問題がない限りは、勤務条件に対して「YES」と答えると良いです。
担当者や社長を紹介される
面接後に担当者や社長を紹介される場合は、受かる可能性があります。
合格を出すつもりのない学生に、他の社員や社長が時間を取ることはあまり考えられないからです。
また、このときに企業や業務についての話があったり、一緒に働く社員の紹介があったりすれば、かなり期待できます。
握手を求められる
「面接の最後に握手を求められる」というサインが、最終面接で見られることがあります。
握手には「これからよろしく」というメッセージがあるとされており、握手を求められると受かるサインの可能性が高いといえるでしょう。
しかし、なかには面接の最後に、全学生に対して握手する企業もあります。
合否には関係ない?勘違いしがちなサイン
ここでは、落とされるサインとして勘違いされやすいが、実際には合否にあまり関係がないサインについてご説明します。
「最後にアピールすることはありませんか?」の質問の有無
1つ目は、「最後にアピールすることはありますか?」という質問の有無です。
面接を受けていると1度はこの質問をされたことがあるのではないでしょうか。
この質問には、それまでの時間でアピールが十分ではないという意味があり、落とされるサインと言われがちです。
しかし、実際は学生が心残りないように伝えそびれたことがないかを確認する目的や、単に学生の意欲を見る目的などがあります。
また、企業によっては合否に関係なく、面接の最後では聞くと決めている場合もあるので、この質問をされたからといって不合格が決まったわけではまったくありません。
実際に私も就活生の頃、ある企業の最終面接でこの質問をされましたが、内定をもらいました。
エレベーターまで見送られる
2つ目は、「エレオク」と呼ばれるものであり、これは落とされるサインだと言われることがありますが、事実ではありません。
そもそもエレオクをしない企業もたくさんありますが、エレオクをする意図としては以下の3点です。
- お客様として丁寧な対応をしている
- 企業のイメージアップにつなげるため
- 面接後の気が緩んだタイミングでの学生の態度や人柄を見ている
そのため、面接後も気を緩めず、誠意をもって対応しましょう。また、エレベーター見送り時のマナーを確認しておくと安心です。
面接後の合否連絡が遅い
面接後から数日経っても連絡がこない場合、不安になったり、そわそわしたりすると思います。
ですが、連絡が遅いからといって落ちたとは限りません。
全員の面接が終わってから一斉に合否連絡をする企業もあります。
また、社内事情により選考が遅れているケースもあります。
新卒採用の時期はとても忙しいので、多少遅れていてもあまり気にしなくてよいでしょう。
しかし、面接で「〇日までに連絡します」と言われていた場合は、期日を超えた時点でよっぽどの事情がない限り不合格ということになります。
落とされるサインがあったときはどうしたらよい?
では実際に、面接中に落とされるサインがあったときはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、その際に心がける点についてご説明します。
平常心を保って態度を大きく変えない
まずは、平常心を保って態度を大きく変えないことです。
面接中に落とされるサインを感じてしまうと、焦ったり、自信がなくなったりすると思います。しかし、すでにお伝えしましたが、落とされるサインは企業や面接官によって変わります。
本当は順調だったのに、急に動揺したり暗くなったりしてしまったせいで良くない評価になる可能性があるからです。
もしサインを感じても平常心を保ち、態度を大きく変えないようにしましょう。
切り替えて前向きな回答を心がける
次に、切り替えて前向きな回答を心がけることです。
落とされるサインを感じたら、不安や焦りなどの気持ちを切り替えて、その部分をリカバリーできるような回答を心がけましょう。気づけたことで、挽回のチャンスがあると前向きな気持ちを持つことが大切です。
実際はその企業にとって落とすサインではなかったとしても、前向きな回答をしたことで評価が下がることはありません。
まとめ:面接官のサインの意図を知っておけば準備ができる
この記事では、落とされるサインや受かるサイン、実は合否には関係ないとされるサインをご紹介してきました。
と思った人もいるのではないでしょうか。
面接官のサインの意図を知れば、対策を練ることができ、また次の面接に活かすこともできます。
また、面接中に落とされるサインを感じたとしても大丈夫です。以下の点を踏まえれば、挽回のチャンスはいくらでもあります。
- 平常心を保って態度を大きく変えない
- 切り替えて前向きな回答を心がける