就活を始めると、「外資系」という言葉を聞くことが増えた人は多いのでしょうか?
外資系企業とは、外国が出資していたり、日本企業を買収してできた会社だったりと、日本企業とは企業のあり方が違います。
外資系企業の中でも、外資系メーカーは就活生や転職希望者から高い人気を得ています。
日本では、P&G Japanやネスレ日本などが有名ですね。
今回はそんな外資系メーカーがどんな企業なのかや、内定をもらうためのコツについて解説していきます。
「外資系ってそもそもどういう企業なの?」
「外資系メーカーにはどんな企業があるの?」
「外資系メーカーに内定するコツが知りたい!」
このように考えている方はぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
外資系メーカーってつまりどんな企業?
外資系メーカーと聞いても、日系メーカーとの違いがよくわからない人も多くいるでしょう。
まずは、そもそも外資系が何なのか、外資系メーカーにはどんな特徴があるのかを説明していきます。
そもそも外資系って何?
外資系企業とは、資本の一定割合以上を日本が持つ日本企業とは違い、資本の多くを外国資本で占めている企業のことをいいます。
近年では、外国人が経営している企業も外資系企業に分類されることもあります。
外資系企業を大きく分類すると、以下の4つになります。
- 外国企業の日本法人
- 外国の企業が日本で設立した子会社
- 日本企業と外国企業の共同出資で設立した企業
- 外国の企業が、日本企業の株式買い取って買収した企業
ひとくちに外資系企業といっても、色々な種類があるんです。
外国資本がどれくらいの割合を占めているかによって、経営の意思決定のあり方が変わってきます。
外国資本が100%の場合は、経営主導権は外国企業が握ることになります。
また、企業文化もそれによって変わってくるでしょう。
実力主義で年収相場が高いのが特徴
外資系メーカーの特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
実力主義でインセンティブが大きい
外資系メーカーは、年功序列や終身雇用を採用していない実力主義のため、年齢や在籍年数ではなく、実力や結果で給料が決まります。
とくに営業は、自分の売り上げ次第でインセンティブが多くついたりもします。
平均年収も4年目以降で700〜900万と、日系メーカーよりも高い水準となっています。
このように給与水準は高いのですが、インセンティブの割合が大きいため、その年の結果によって給料が上下します。
去年は年収900万だったのに、営業成績が影響して今年は700万ということもざらにあります。
自分の結果に見合った給料をもらいたいと考える人にとっては良い給料制度といえるでしょう。
男女平等の風潮がある
外資系そのものの特徴ともいえますが、男女平等の風潮があるのも外資系メーカーの特徴のひとつです。
先ほども述べたように外資系メーカーは実力主義のため、女性でも結果を出せば昇進したり、昇給したりできる環境が整っています。
実際、外資系メーカーでは女性が活躍している会社が多く見受けられます。女性だということを理由にキャリアアップを妨げられたくない女性は、外資系メーカーで活躍を目指すのもよいでしょう。
プライベートも尊重されやすい
外資系メーカーの特徴として、結果を出していればプライベートを大事にしてよいという風潮があります。
もちろん仕事が忙しいときは残業をしなければならないときもあると思いますが、必要以上に遅い残業を強いられることはありません。
また、外資系の特徴として、フレックスタイムを採用している企業が多いです。
必要に応じて、勤務時間を早めたり遅めたりと、自分に合った時間で柔軟に働けるところが魅力ですね。
意思決定スピードが速い
最後にご紹介する特徴は、意思決定のスピードが速いということです。
グローバルに事業を展開している外資系企業は、競争意識が高い傾向にあり、スピード感を重視します。
日本企業と比べ、指揮命令系統が明確で意思決定に関わる人数が少ないことも、スピードが速いひとつの理由でしょう。
特に外資系メーカーのなかでも、企業の上層部の権力が強い場合は、社内の根回しなどがおこなわれずに、スピード感を持って意思決定していく傾向があります。
スピード感を重視する人や、変化に強い人には合った環境といえるでしょう。
意外と知られていない外資系メーカーの種類
続いては、実は知られていないものの、種類が豊富な外資系メーカーのジャンルについてご紹介していきます。
外資系メーカーであればどれも似た部分がある一方で、本国がどこの国なのかや、メーカーの種類によってその企業の文化などが少しずつ変わっていきます。
外資系メーカーのなかでも特にどういった企業が自分に合うのかを、考えながら読んでみてください。
外資系の中でも米国系と欧州系で特徴が異なる
外資系とひとくちに言っても、米国系と欧州系で特徴が違います。
自分の興味のある外資系メーカーの本国がどの国なのかをチェックすることで、社風や特徴を掴みやすいので、チェックしてみてくださいね。
トップダウン式の米国系
米国系は、実力主義の考え方が強く、またトップダウン式の特徴があります。
トップダウンとは、トップの社員が強い権力を持っている組織をいいます。
上層部がスピード感を持って物事を決めていくことが多いです。
実力主義の考え方も強いため、年齢に関係なく結果さえ出せればどんどん昇進することも可能です。
ボトムアップ式の欧州系
米国系に対して欧州系は、外資系のなかでも安定志向の側面も持ち合わせています。
社員が協調した上での経営を目指している、ボトムアップ式といわれるような特徴があります。
安定志向とはいっても、外資系であることには変わりないので、完全に年功序列を採用している他の日本企業よりは実力主義です。
しかし、米国系と比べると、比較的ゆっくりとした成長を目指していたり、必要以上にきつい労働を求められることがないことが特徴です。
メーカーの主なジャンル6種類と代表企業
次に、メーカーの主なジャンルについて紹介していきます。
メーカーといっても、どんなものを生産しているかで、営業やマーケティングの戦略も大きく変わっていきます。
自分のやりたいことやキャリアプランに合った業界を見つけていきましょう。
消費財メーカー
消費財メーカーとは、ユーザーが個人または家庭で消費するものを製造する企業をいいます。
代表的な消費財は、食品、衣料品、雑貨、家電、コンピュータ製品、自動車などです。
そのなかで人気な企業は、
・P&G Japan
・ユニリーバ・ジャパン
・日本ロレアル
・ネスレ日本
が挙げられます。
ネスレ日本はキットカットを販売している会社です。
このように普段私たちが使用、消費しているものを売っている会社なので、聞き馴染みのある企業も多いのではないでしょうか。
製薬メーカー
製薬メーカー(製薬会社)は、医薬品の開発や生産・販売をおこなっている会社です。
代表的なのは、
・ファイザー製薬
・万有製薬
・ノバルティスファーマ
・ジョンソンエンドジョンソン
などが挙げられます。
ファイザー製薬は、新型コロナウイルスのワクチンを作っているので、それで知った人もいるかもしれませんね。
このように、製薬メーカーでは新薬や後発医薬品の開発に取り組んでいる企業が多いです。
化学メーカー
化学メーカーとは、化学反応を伴う生産から商品を生み出す企業のことをいいます。
少しイメージがつきづらいと思うので、日系化学メーカーの代表例を挙げると、富士フィルムや旭化成などになります。
日本で人気の外資系化学メーカーは以下が挙げられます。
・BASFジャパン
・日本エア・リキード
・デュポンジャパン
・ダウ・ケミカル日本
上記の企業は、新卒採用をおこなっているので、外資系メーカーに入社したい人は要チェックです。
ラグジュアリーメーカー
最後にラグジュアリーメーカーについて紹介します。
ラグジュアリーメーカーとは、その名の通り高級品を販売する会社で、ジュエリーやファッションなどのブランド品を売っています。
代表的なのは、
・エルメス
・シャネル
・ルイ・ヴィトン
・プラダ
などが挙げられます。
外資系メーカーのなかでも特にワークライフバランスを大切にする傾向があるため、仕事も頑張りたいけどプライベートも大事にしたい人はチェックしてみるとよいかもしれません。
外資系メーカーで求められるのはこんな人
ここまで、外資系メーカーは何なのかや、どんな種類があるのかについてお伝えしてきました。
外資系メーカーについて理解は深まっても、
「実際、私が外資系に入って活躍できるのかな?」
「内定したいけど、どういう人が受かるんだろう?」
などと、不安な気持ちを持つ人は多いと思います。
ここからは、外資系メーカーに向いている人の特徴についてお伝えします。
自分の性格や趣向とどれくらい当てはまっているかをチェックしながら読んでみてください。
外資系メーカーに向いている人の特徴
ここでは、外資系メーカー全般に共通している、求められる人の特徴をご紹介していきます。
変化に強く柔軟
1つ目は、変化に強く、柔軟に考え行動できることです。
先ほどお伝えしたように、外資系メーカーは日本企業に比べて意思決定が迅速で、スピード感が速い傾向にあります。
そのため、急に新しい動きが始まったり、突然の変更に対応したりすることが多くあります。
計画の急な変更や方向転換が苦手だという方は、その変化やスピードについていくのが大変に感じることもあるかもしれません。
反対に、スピード感を持って動きたい人や、飽きっぽくて変化が好きな人にとっては、充実した仕事生活を送れるのではないでしょうか。
異文化に対して理解がある
2つ目は、異文化に対して理解があることです。
外資系企業ということは、日本企業と比べて外国人の社員が多いです。
上司が外国人ということも決してまれではありません。
一緒に仕事をするうえで、お互いの意見を擦り合わせていくことが大切ですが、生まれた環境が違う分、考え方や価値観が大きく異なることも多いでしょう。
そこで、「国や価値観が違うからわかり合えない」と諦めるのではなく、異文化を理解、尊重してわかり合う努力をすることが、外資系では必要だといえます。
意見を論理的にはっきりと述べられる
3つ目は、意見を論理的にはっきりと述べられることです。
日本人の特徴として、謙虚で意見を強く主張しない人が多いです。しかし、外資系企業では、会議の場で参加者は意見をすることを求められています。
きちんと自分の意見を発言しないと、会議に貢献していないと思われ、参加しなくてもよい人だと思われてもおかしくありません。
必要以上にへりくだることなく、若手のうちからはっきりと主張できる人が外資系メーカーには向いています。
外国語スキルがある、または学ぶ意欲がある
4つ目は、外国語スキルがあることです。
外資系企業では、本社とのやりとりなどで外国語を使う場面が必ずと言っていいほどあります。そのため、外資系企業で働くうえで、外国語スキルというのは必須スキルです。
しかし、就活当時や入社前はそこまで外国語スキルが高くなくても、入社に向けて、また入社後も働きながら学び続ける姿勢があれば認められることも多いです。
今、外国語スキルがそこまで高くないからといって落胆せず、これから勉強を始めていきましょう。
【職種別】外資系メーカーで求められるスキル
次に、職種別で求められるスキルについて説明していきます。
営業
外資系メーカーの営業は、日本企業と比べて裁量権が多いです。
また、会社組織のなかで、営業部のリソースの割合が少ないという特徴もあります。
必要なスキルは、
・コミュニケーション力
・提案力
・自分で考えて行動する力
などが挙げられます。
少数精鋭で、裁量権を持って営業したい人におすすめです。
マーケティング
マーケティングでは、商品を日本市場にどうやって売っていくかを考える役割を担います。
ターゲットの理解、コンセプト決め、販売戦略の設計などをおこなうのが、マーケターのお仕事です。
特に必要なスキルは、
・企画力
・広告運用力
・コミュニケーション力
が挙げられます。
ときには、本社にプレゼンテーションをする場面もあるため、外国語スキルやコミュニケーションがあるとよいでしょう。
サプライチェーン(生産統括)
サプライチェーン(生産統括)は、需要予測をしたうえで、海外工場に指示を出したり、仕入れをおこなったりする仕事です。
市場の動きを予測したうえで生産数量を決めるため、社会情勢の動きにアンテナを張って、世の中を先読みしていくことが重要になります。
必要なスキルは、
・数値管理能力
・データ分析能力
・危機管理能力
などです。
裁量権が大きい仕事なので、責任感を持って働ける人が向いているでしょう。
外資系メーカーから内定をもらうための4つのポイント
最近は外資系の人気も高まっているため、内定するためにはきちんとした対策が必要になってきます。
ここでは、外資系メーカーから内定をもらうためのポイントを4つお伝えするので、ぜひ就活対策の参考にしてくださいね。
就活早期から動き始めることが必須
まず、メーカーに限らず外資系メーカーに内定するためには、就活早期から動き始めることが必須条件になります。
なぜなら、外資系企業は経団連に属しておらず、日本企業よりも選考時期が早いからです。
大学3年の10〜12月にも本選考が開始し、年内に内定する人も多いです。
サマーインターンシップのエントリーは大学3年の4~6月ごろに開始するため、大学3年生の初期、あるいは大学2年生のうちから動き出すことが大事になってきます。
もちろん、大学3年生の1月以降に本選考にエントリーできる企業が完全になくなってしまう訳ではありません。3月以降にも募集を続ける企業もあるので、よくチェックしましょう。
しかし、人気な企業は早めに募集を終了することもあるので、後悔のないよう早め早めに動くことが大切です。
インターンシップに参加して選考ルートに乗る
夏のインターンシップや、秋冬のインターンシップに参加することも、外資系メーカー内定のために有効です。インターンシップで結果を残すことができたら、本選考合格に大きなリードとなります。
また、企業によっては、インターンシップ参加者だけでその年の内定を出し切ってしまうことがあります。つまり、インターンシップに参加しなければ本選考を受けられないといった状態です。
インターンシップでは本選考に進むことができるだけでなく、企業理解が深められるなどメリットがたくさんあります。
ぜひインターンシップに参加できるように準備を進めていきましょう。
英語の実力を最低限身につけておく
英語など、その企業でよく使用する外国語のスキルはある程度身につけておくようにしましょう。
企業によって、点数の基準や選考方法は違いますが、外資系企業は英語のスキルを重視する傾向にあります。
せっかく就活対策を頑張ったのに、TOEICの点数が原因で選考に進めなかったら、それほど悲しいことはありませんよね。
外国語スキルに自信がない方は、就活対策と並行して、語学の勉強を進めるのがオススメです。
フェルミ推定の対策を念入りにする
外資系企業では、フェルミ推定と呼ばれる問題が出題されることが多いです。
フェルミ推定とは、予想がつかないように思える数量を、いくつかの手がかりをもとに論理的に概算して導き出すことをいいます。
問題の例としては、
・東京にはポストが何個あるか
・日本にマンホールの数はいくつあるか
・地球上に存在する犬の数は何匹か
などがあります。
論理的能力、計算能力、思考スピードなどが問われます。
フェルミ推定は、初めてやる人にとってはとても難しいと思うので、いろいろな練習問題を解くことで感覚を掴むことが大切です。
フェルミ推定のための参考書なども売られているので、対策をするようにしましょう。
外資系メーカーに関するよくある疑問と実際のところ
外資系メーカーの特徴や、内定のコツはわかってきましたでしょうか?
最後に、外資系メーカーに関するよくある疑問と、「実際のところどうなのか」について説明していきます。
プライベートがないくらい忙しいって本当?
A.プライベートも充実させることも可能です。
日本企業と比べてスピード感が速いなどで、多少忙しかったり、ときには残業をしたりすることもあると思います。
しかし、基本的に実力主義の外資系メーカーでは、結果さえ出せれば労働時間の長さやプライベートに関しては、本人の自由と考えられることが多いです。
むしろ、効率的に休んで仕事に結果を出すことが求められるので、中途半端に働いて結果が出ない方が評価が下がってしまいます。
自分が結果を出すためのワークライフバランスを見つけていきましょう。
英語のスキルはどれくらい求められるの?
A.実際にどれくらいのレベルが求められるかは、企業や部署によって異なります。
特に、本社とのやりとりが多い部署や、直属の上司が外国人だった場合は、外国語で会話ができるスキルが必要となります。
反対に、取引先の多くが日本企業の会社での営業は、それほど外国語を使用する場面が多くなかったりします。
外資系企業で働くうえで、TOEICの点数は700点以上、プレゼンテーションなどで英語を活用する場合は800点以上あるとよいでしょう。
転職回数が多いと面接でどう評価されるの?
A .外資系企業では、日本企業に比べて転職に対してネガティブな印象を抱かない傾向にあるのが特徴です。
なぜなら、キャリアアップとして転職をして外資系企業に入社する人が多いからです。
しかし、あまりにも一社での勤務年数が少なかったり、転職回数が多すぎたりすると、マイナスイメージにつながることもあります。
面接で転職の理由を話す際は、自分のキャリアプランや転職理由をはっきりと述べられるようにしましょう。
突然クビを言い渡されることがあるの?
A.外資系企業は終身雇用や年功序列を採用せず、実力主義であるため、「結果を出さなければすぐにクビにされる」と思われがちですが、実際に急な解雇がされることはほとんどありません。
結果が出ないときは、すぐにクビにしたりせず、面談や目標設定などの機会を設けてくれる場合もあります。
実力主義だからといって、必要以上にクビを恐れて萎縮する必要はないので、安心してくださいね。
まとめ:外資系メーカーも早めに動き出すのがカギ!
今回は、外資系メーカーのジャンル・特徴や、内定するためのコツなどをお伝えしてきました。
ポイントをまとめると、
- 実力主義でインセンティブが大きいのが特徴
- 外資系メーカーのなかでもさまざまなジャンルがある
- TOEIC700点、できれば800点以上の英語スキルがあると有利
- 就活早期から動きインターンシップに参加することが重要
記事を読んで、「自分は外資系に向いていそう」と思った人も、反対に「外資系は向いていないかも」と思った人もいるかと思います。
ただ外資系企業に関しては、実際に体験してみないとわからないことも多いです。積極的にインターンシップなどに参加して、自分に合っているかどうか、見極めて下さいね。
自分に合った企業を選ぶことが、納得内定や入社後の活躍、充実に繋がりますよ。
あなたの就活がうまくいくことを応援しています!