就活相談に乗っていると、「長所がなくて困ってます」という悩みを多く聞きます。
就職活動において、「あなたの長所はなんですか?」という質問は定番中の定番です。
なぜなら企業が採用したいのは企業に何かいい影響をもたらしてくれる人で、そのために必要な能力を持っているか判断する必要があるからです。
したがって、長所をうまくアピールできるかどうかは合否に大きく関わってきます。
この記事を読んでいる人の中にも、
「自分には長所がない」
「長所をでっち上げるしかない」
と考えている人もいるのではないでしょうか?
しかし、実際には長所がない人など存在しないのです。
そこで今回は、みなさんの中に眠っている長所の見つけ方、そしてその伝え方を徹底的に解説していきます。
読んだその日から使える内容になってますので是非実践してください!
長所を聞く意図は?
「どうして長所なんかアピールしなきゃいけないんだ!」と思ったことありませんか?
就活中の私はそう思ってました。(笑)
そこで、長所を考えるにあたって、まずはその質問の意図を考えてみましょう。
求める人材とマッチしているかみるため
1つ目の意図は、求める人材とマッチしているかをみるためです。
選考がエントリーシートと面接しかない企業の場合、その人がどのような強みを持っていて、それがどこで発揮されるのか知るには、その人の口から聞くしかありません。
志望動機や自己PRだけではなく、長所からも求める人材とのマッチをみていることを覚えておきましょう!
自己分析ができているかをみるため
2つ目の意図は、自己分析ができているかをみるためです。
自分の長所を語るためには、過去の経験の洗い出しとそれを深掘りすることが必要です。
自己分析が出来ていれば、その人は自分の長所を理解し適切な場面でその能力を発揮することができるので、長所が再現性を持ちますよね。
より確実に優秀な人材を採用するためにも、企業は学生が自己分析をしっかりできているかを確認するのです。
以上2つが、「あなたの長所はなんですか?」という質問の意図になります。
この質問1つで自己分析が出来ているかがわかってしまうから恐ろしいですよね。
「この人、しっかり自己分析をしたんだな」と思ってもらうためにも、丁寧に自己分析を進めていきましょう。
長所を見つける3つのステップ
ここからは、長所の見つけ方を3つのステップに分けて解説していきます!
①過去の経験を洗い出す
ステップ1は、過去の経験の洗い出しです。
長所を見つけるためには、その長所が発揮された経験を振り返るのが最も簡単です。
しかし長所が発揮された経験と一言で言っても、
「そもそも長所が何かわからないのにどのようなときに長所が発揮されたかわからない」
と思う方も多いですよね。
そこで、これから説明する4つのポイントで振り返ってみましょう!
人から褒められたエピソードを振り返る
長所を自覚していない人の中には、自分では普通と思っていることが他人にとってはすごいことだったという人もいます。
例えば、「人と話すのが好きで、どんな人とも仲良くなれる」という人がいます。
その人にとってはただ好きなことをやっているだけですが、他の人から
「コミュニケーション能力高いね!」
「話すのが上手だね!」
「明るくて話しやすい!」
と褒められるのです。
そして面接は面接官という第三者からの評価ですから、「自分にとっては普通だから長所じゃない」とはなりません。
このように、自分にとっては普通だけど、他の人に褒められたというエピソードがあればぜひ長所としてピックアップしましょう!
「褒められたことがない...」という人もこの後、番外編①で解説する方法を使えば長所を見つけられるので安心してくださいね。
成功体験を振り返る
どのような成功体験の中にも、何かしらの成功要因が存在するはずです。
その要因の中であなたの長所が発揮されたポイントを抜き出してみましょう!
このとき、謙遜する必要はありません。
「こんなの成功とは言えない!」と変にストイックになってしまっては、話せる経験がなくなってしまいます。
「今まで早起きできなかったけど、工夫して早起きできた!」というレベルで大丈夫です。
もちろん、みなさんより大きな成功体験をしている人はたくさん居ますが、長所を見つけるときに成功体験の大きい小さいは関係ありません。
自分の成功体験に自信を持ってくださいね。
失敗体験を振り返る
「失敗体験には短所が出ているのでは?」と考えた方もいるかと思います。
しかし、失敗したということは、挑戦したということでもありますよね。
自分が
- 何に挑戦したのか
- なぜ挑戦しようと思ったのか
- どのような行動をとっていたのか
を振り返ることで、長所が出てくることがあります。
ぜひ失敗体験にも注目してみてくださいね!
「頑張ったこと」を振り返る
褒められた経験や成功体験とは別に、頑張ったことも振り返ってみましょう。
上記2つと違う点は、目に見える結果が出ていなくても大丈夫ということです。
成功体験のときと同様、「結果が出てないから頑張ったとは言えない!」と変にストイックにならないように注意してください。
あなたが本当に頑張ったことなら、結果が出ていなくてもあなたらしい良さが必ず発揮されているはずです。
謙遜せずに、
- 頑張ったこと
- 本気で打ち込んだこと
を書き出してみましょう!
②エピソードを掘り下げる
ステップ2では、①で出てきたエピソードを深掘りしていきます。
深堀りするときのポイントは主観を大切にすることです。なぜならエピソードを話すときには、その瞬間あなたがどう考えてどう行動したかが大切だからです。
実際に面接でエピソードを話すときに問題になるのは、そのエピソードの客観的な事実ではなく「あなたがどう考えてどう行動したか」という主観的な部分です。
客観的な事実は考えず、自分の思ったことを率直に書いてみましょう。
とはいえ、何も無しにエピソードを深堀りするのは難しいと思います。
実際の面接で聞かれるような深堀り質問例を載せておくので、こちらを参考に深堀りしてみてください!
- 動機
それを始めたのは何故ですか?
何故そうしようと思ったのですか?
- モチベーション
それを続けられたのは何故ですか?
- 課題、要因
そのときにぶち当たった課題はなんですか?
失敗、成功した要因の中であなたに関係する要因はなんですか?
- 対処
あなたはその課題にどう対処しましたか?
失敗したとき、あなたはどう乗り越えましたか?
- 結果
その対処はどのような結果を招きましたか?
- 成長
その経験を経て、あなたは何を学びましたか?
その経験で、あなたの生活や意識はどう変わりましたか?
③共通して発揮した能力を言語化する
3つ目のステップは、共通して発揮した能力を言語化するです。
なぜこれをやるかというと、長所は再現性が大切だからです。
「これが長所です!」と言われて採用したのに、その長所が実際の現場で発揮されないのであればそれはそのエピソードでたまたま発揮されただけの能力となってしまいます。つまり、まぐれです。
複数のエピソードを書き出して深堀りすることで、自分がどのような考えで行動を起こして、それが結果にどのような影響を及ぼしていたか理解できたと思います。
まずはその過程と結果を元に、長所となる能力を見つけましょう。
長所を探すときには、下にある「ESにも書ける長所50選」も参考にしてみてくださいね!
そして、ただのまぐれで終わらせないためにも、何度も発揮されている能力を抜き出してみましょう。
コラム:短所からも長所の言い換えられる
「エピソードから出てくる能力が短所にしか思えない...」という人も安心してください。
短所も、見方を変えれば長所になることがあります!
例えば、面倒くさがりという短所があったとしても、他の人と同じような成果が出せているのであれば、それは要領が良いといえますよね。
このように、ポジティブに考えることで自分の新たな長所に気づくことができます!
まずは自分の短所を書き出すところから。
少し精神的に厳しいかもしれませんが、「本当に長所が見つからない!」という人は実践してみてくださいね。
短所と長所の言い換えについては、こちらの記事で詳しく解説しています!
絶対に見つかる|ESにも書ける長所60選
ここでは、エントリーシート(ES)にも書ける長所を50個紹介していきます。
その前に、みなさんに注意していただきたいのは、長所よりもその裏付けのエピソードの方が大切ということです。
ぜひ、エピソードを深堀りしてからご覧くださいね。ではいきましょう!
行動、継続系(10個)
行動、継続系の長所一覧です。
行動を起こす、もしくは何かを継続して成果をあげた経験がある人はこれらのキーワードを使ってみてください!
- 集中力
一つのことを目移りせずやり切る力
- 努力家
目標に向かって努力し続けられる力
- 向上心
成長し続けたいと思い続ける力
- 積極性
物事に意欲的に取り組める力
- 計画力
何か物事を行うときに計画を立てる力
- 行動力・実行力
考えや計画を行動に移す力
- 継続力、粘り強さ
一つのことをやり続けられる力
- 目標達成への執着心
決めた目標は絶対に達成するという姿勢
- 決断力
選択肢の中から主体的に選ぶ力
- 勤勉性
物事に一生懸命になれる力
コミュニケーション・対人能力系(16個)
コミュニケーション、対人能力系の長所一覧です。
チームをまとめたり、人間関係を通して成果をあげたりした人はこれらのキーワードを使ってみてください!
- 協調性
自分と違う人と助け合い、受け入れる力
- 柔軟性
その状況にあわせて適切な対応ができる力
- リーダーシップ
集団の先頭に立ち、引っ張る力
- 社交性
どんな人とも上手く付き合える力
- 交渉力
交渉を上手く進め、Win-Winな関係を築ける力
- 傾聴力
注意深く話を聞き、相手の話を引き出す力
- 発信力
自分の意見を周囲に伝える力
- 思いやり、ホスピタリティ
相手に配慮した言動を心がけることができる力
- 統率力
全体の意見を整理して、組織をまとめる力
- コミュニケーション能力
他者との意思疎通を円滑に行う力
- 調整力
チームの方向性を正すために意見や組織をまとめる力
- 共感力
相手の気持ちを汲み取り、相手の立場になって考えられる力
- サポート力
今のチームに必要なことを明確にし、その穴を埋める力
- 気配り
周囲の状況に配慮して行動できる力
- 責任感
自分の責任を理解し、それを果たそうとする力
- 規律性
ルールや責任を守り続ける力
思考・問題解決能力系(10個)
思考、問題解決能力系の長所一覧です。
自分の思考力や問題解決能力で何か成果をあげたエピソードがある人は、これらのキーワードを使ってみてください!
- 論理性
物事の因果を明確にし、筋道を立てて考える力
- 理解力
即座に物事の構造を理解する力
- 俯瞰力
物事を様々な視点から見ることができる力
- 発想力
アイディアを出す力
- 想像力
新しいことや未知のことを想像する力
- 分析力
情報や事実を元に物事を理解する力
- アレンジ力
物事に自分なりのアレンジを加え、より良いものにできる力
- 記憶力
物事を忘れず、瞬時に思い出すことができる力
- 判断力
物事を正しく評価し、適切な判断ができる力
- 批判力
答えを鵜呑みにせず、一度疑う力
メンタル・性格系(17個)
メンタル、性格系の長所一覧です。
「困難を気合いで解決した!」
「誰にも負けない人間性を持っている!」
という方はこれらのキーワードを使ってみてください!
- 諦めが悪い、負けず嫌い
困難なことや一度失敗したことでも、成功するまでやり続けられる力
- チャレンジ精神
新しいことにも積極的にチャレンジできる力
- 意思の強さ
自分の考えを固く持ち、曲げない力
- ストレスコントロール力
ストレスがかかる物事にも、めげずに取り組める力
- 探究心
物事に興味を持って追い求めることができる力
- 几帳面
物事の細かいところまで注意を払う力
- 慎重さ
細部にまでこだわり、注意深く行動する力
- 冷静さ
感情に流されることなく、冷静な判断を下すことができる力
- ポジティブ、明るさ
何事も前向きに捉える力
- 忍耐力
辛いこと苦しいことにも耐え忍ぶことができる力
- 真面目さ
私利私欲で行動せず、ルールや決まり事を守る力
- 環境適応能力
環境の変化にすぐに対応し溶け込む力
- 情熱的
物事に大きなエネルギーを注ぐことができる力
- 好奇心旺盛
知らないことに対して積極的に知ろうとする力
- 素直さ
人の意見を聞き入れ、素直に受け入れる力
- 謙虚さ
控えめで奢ることがない。慢心しない力
スキル系(7個)
スキル系の長所です。
これらを学んでいた経験があり、それが実務に活かせそうな会社なら、一度長所としてアピールしてみるのもアリかもしれません!
- 文章力
- マーケティング力
- デザイン力
- プレゼン能力
- 語学力
- 資格
- その他専門知識
自分に当てはまる長所は見つかりましたか?
長所がはっきり言語化できたところで、より実践的なトピックに移りましょう!
面接で長所を話すときは結論からが鉄則
面接官に長所を伝えるためには、以下の順序に沿って話すのが重要です。
- 結論(私の長所は〇〇です)
- エピソード
- 会社でどう活かせるか
どのような内容を話せば好印象なのか、面接でのポイントも解説しているので、面接を受ける前に一度チェックしておいてくださいね。
これを見れば、あなたはもう長所マスターです!
結論から話す
長所を答えるときに限らず、面接の受け答えでは結論ファーストが大切であるとすでに聞いたことがあると思います。
結論から話すことによって、「今からこれについて話す」という前提を共有でき、話の内容を理解してもらいやすくなるからです。
また、長所を答えるときに結論から話す場合、長所を抽象的にしすぎないように注意してください。
例えば、長所がポジティブさだった場合、
「私の長所はポジティブなところです!」
と答えるとどこか知性にかけますし、ポジティブと一言で言っても想像するポジティブさは人によって変わりますよね。
そこで、
「私の長所は、様々な物事を前向きに捉える力です。」
という風に答えれば、「今から物事を前向きに捉えた結果上手くいったエピソードが来るんだな」とイメージが明確になります。
面接官に自分の長所を正しく理解してもらうためにも、具体的に話すことを心がけてくださいね。
次にエピソードを話す
面接官に自分の長所を理解してもらった後は、「その長所が発揮されたエピソード」を話します。
エピソードを答えるときには
- どのような場面で
- どのように長所を発揮して
- どのような成果を残したのか
の順番で話すとスムーズに伝えることができます。
また、このときも抽象的な言葉を使わないように注意しましょう。
例えば、先ほどのポジティブさが長所という人がエピソードを話すとき、
では何も伝わってきませんよね。
しかしこの文章の抽象的な部分を具体的に変えると、
「私は、部員100名の規模のダンスサークルに所属し、サークル長として活動していました。週に50時間の練習に心が折れそうな部員も多くいましたが、持ち前の前向きさで部員を励まし、大会までの3ヶ月間、誰一人かけることなく練習を続けることが出来ました。
その結果、全国大会で3位入賞という好成績を修めることができました。」
と、かなり魅力が伝わる文章になったかと思います。
この様に数字で具体性を持たせるというのを意識してみましょう。
入社後の応用方法について話す
長所を伝える際は最後に、入社後にその長所をどう活かすかを伝えると、あなたが働いている姿をより鮮明に面接官にイメージさせることができます。
企業が求める人物像に一致するほど高評価につながるのはもちろんですが、働いている姿をイメージさせるとさらに高く評価されます。
冒頭でもお話ししたように長所に再現性を持たせるためにも、長所をどう仕事に活かすのかを最後に伝えましょう!
まとめ:自己分析で長所とエピソードを見つけよう!
今回は、長所の見つけ方、伝え方を中心にお話ししました。
「この記事を読んで長所が見つかった!」という人がいたら、とても嬉しいのでご連絡ください。(笑)
もし、見つからなかったという人も悲観することはありません!冒頭でもお伝えしたとおり、長所がない人なんていないのです。
まずはエピソードを洗い出して、長所一覧を参考に探してみてくださいね。
また、行き詰まったときは、親しい人やお世話になった人に
「僕(私)の長所って何?」
と聞いてみましょう。
きっと何かしら答えが返ってくるはずです。
みなさんの長所が見つかること、また就活が上手くいくことを心から願っています。