いよいよ本格的に選考が始まります。
エントリーシートの提出や面接などたくさんの選考がある中で、特にグループワークに対して苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか?
「そもそもグループワークって何が見られているの?」
「司会や書記といった役割はやらないとダメ?」
「選考を突破するポイントってあるの?」
就活初心者の学生であれば、このような疑問もあるかもしれません。
また、複数人でおこなうグループワークは対策ができないイメージがあるかもしれませんが、正しい突破方法を知って回数をこなすことで対策は可能です。
今回の記事ではグループワーク初心者のあなたに向けて、評価ポイントや選考突破のコツなどをお教えします。
グループワークに対して苦手意識を持っていても、ポイントさえ押さえれば自信を持って選考に取り組むことができるはずです。この記事を読んで、グループワークについての理解を深めて選考を突破していきましょう。
グループワークとは?
グループワークとは、多くの場合は5~6人程度のグループを作成して決められた時間内に課題をこなしていく選抜方法です。また、ワークで出た結論や出来上がった成果物を最後の時間に発表する場合もあります。
グループワークは、初対面の相手と協力しながら最善の成果を出す必要があるため、コミュニケーション能力や思考力などが求められます。
グループディスカッションとは異なる
グループワークと同様に集団でおこなう選考のなかに「グループディスカッション」というものがあります。
注意しておかなければならないのが、就活でよく耳にする「グループディスカッション」と、この記事でお話ししている「グループワーク」は少し異なるということです。
グループディスカッションは名前の通り「ディスカッション」をおこなう選考です。議論を交わすことでグループ内で一つの意見をまとめます。企業によっては、対立する意見に対して賛成や反対を主張し合うディベート形式でおこなわれる場合もあります。
グループワークとは、グループディスカッションのようなグループでおこなうワークの多くをまとめた総称です。つまり、グループワークの中でも特に議論をおこなうものが「グループディスカッション」と呼ばれているのです。
選考情報には「グループワーク」としか書いていなかったが、実際に参加してみたらグループディスカッションだったというケースもあります。どんなワークがきても対応できるように、しっかりと準備をしておきましょう。
就活生の何を見ているの?
では、グループワークを通して企業は学生のどのようなところを見ているのでしょうか?
実は、採用担当者が見たいのは学生が出した結論や結果ではありません。グループワークへの取り組み方や結論を出すまでの過程を見ているのです。
学生のみなさんは、良い答えを出すことや他のグループに勝つことに注力してしまいがちです。もちろん、グループワークで「良いもの」を作り上げることは大切です。しかし、企業側はグループワークに対する姿勢やワーク中の言動を見ることで、学生の積極性やコミュニケーション能力を見るのはもちろん、思考力や仲間との協調性なども見ているのです。
企業によってグループワークの内容は異なりますが、どのような内容であっても「より良いものをチームみんなで作り上げよう!」という思いを持って取り組みましょう。
そのような積極的な姿勢が、グループワークでは高評価に繋がっていきます。
グループワークの種類
グループワークには作業タイプ・発表タイプ・ゲームタイプという3つのタイプがあります。
ここでは、それぞれの特徴をご紹介していきます。
「一度もグループワークをおこなったことがなくて不安...」という方も、ワークの種類を知っておくだけで自信を持ってワークに取り組むことができるようになるでしょう。
作業タイプ
作業タイプのグループワークとは、与えられたゴールに向かって具体的に「作業」をするワークです。
有名なものに
「50枚の画用紙を使って、10分以内にできるだけ高いペーパータワーを作りなさい」
「20本のパスタとテープ、紐などを使って自立可能なタワーを立ててください」
といったワークがあります。
柔軟な思考力や、仲間と協力して知識を出し合う協調性が大切です。
発表タイプ
発表タイプのグループワークは、採用選考で最も多く使われます。
与えられた時間内にお題に対する答えをチームで話し合い、その結果についてのプレゼンをおこないます。つまり、発表タイプでは評価対象に「プレゼン力」が加わるということです。
話し合いに夢中になり、プレゼンを作成する時間が足りなくなってしまわないよう、時間配分にも注意しましょう。
ゲームタイプ
一部の企業でおこなわれているのが「ゲームタイプ」のグループワークです。
ゲームタイプのグループワークでは、実際のビジネスに基づいたゲームをおこなうことが多く、楽しみながら学ぶことができるワークです。
この場合、勝ち負けが直接選考に関係してくるわけではありません。グループの仲間と協力して考えることができているかがポイントになってきます。
役割をすると有利なの?
グループワークには、司会・書記・タイムキーパーと大きく3つの役割があります。
「グループワークは役割をやった方が絶対に有利だ」という話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、役割をするのは必ずしも有利とは言えません。というのも、もし役割の責任を果たすことができなければ逆に減点評価がされてしまうからです。
例えば、
- 書記の役割に夢中で発言を一度もしないまま終わってしまった
- 話し合いに熱中してしまい、タイムキーパーの役割を忘れてしまっていた
といった失敗がよくあります。
もちろん、可能なら役割には立候補しましょう。しかし、他に立候補者がいて役割が一つもできなかったとしても大丈夫です。
役割がなかった時には、
- 話し合いが白熱して、残り時間が危うくなってきた時には、タイムキーパーに「残り何分ですか?」と確認する。
- 話が大きく逸れてしまった時には、司会者に「このワークのゴールを確認してもいいですか?」と声を掛ける。
このような声かけを積極的にする事で役割者をサポートし、評価してもらうことができます。
また、どの役割が最も有利という違いもありません。
「自分にならこの役割ができそうだ」と思うものに挑戦してみましょう。
ここからは、それぞれの役割のポイントを説明していきます。
司会のポイント
「司会=誰よりも話す」というわけではありません。司会者は、ワークを滞りなく進めていくためにグループのメンバーに声かけをしていく必要があります。
白熱してしまい同じ人ばかりが何度も発言してしまっている時があるかもしれません。その時は、発言できていない人に「〇〇さんはどう思いますか?」と話を振ることも司会の大事な役割のひとつです。
また司会のポイントは、役割を任されているときは常にゴールを意識することです。グループが盛り上がれば盛り上がるほど、話す内容がゴールから逸れてしまうことがあります。
いま話している事がちゃんとゴールに向かっているか、適宜確認しながらワークを進めるようにしましょう。
書記のポイント
書記は、グループでの議論を記録する役割です。
書記はただメモをとるのではなく、議論を「分かりやすく」まとめることがポイントです。話の趣旨や流れを掴み、要約しながらまとめていきましょう。
特別に綺麗な字である必要はありません。綺麗な字であることよりも、分かりやすくまとめてあることの方が重要だからです。
ただし、読みづらい小さい字やミミズのような字ではグループのメンバーが読めず困ってしまいます。
皆が読める大きな字で、分かりやすくまとめることを意識しましょう。
タイムキーパーのポイント
タイムキーパーの役割では、
- 白熱してしまい、時間を計り忘れていた!
- 時間を気にしていたら、ほとんど意見を言わずに終わってしまった。
という失敗が多く起こります。
時間を気にしつつも、しっかりとワークに取り組む、両立の姿勢を意識しましょう。
また、スマートフォンで時間をはかるのは基本的にはNGです。”選考中にスマートフォンをいじっている”と勘違いされ、減点されてしまう可能性があるからです。グループワークのテーマによっては、インターネットで検索するとヒントが出てきてしまうものがあります。
そのため、選考には必ず腕時計やタイマー・ストップウォッチを持参しておきましょう。もしスマートフォンを使って良さそうな雰囲気であったとしても「作業時間を確認するために、スマートフォンの機能を使用しても良いでしょうか?」というように一度確認をおこなうようにしてください
選考を突破するには
ここまで、グループワークの種類や役割のポイントなどをお伝えしてきました。グループワークは、ポイントさえ押さえれば誰でも簡単に突破できるようになります。以下のポイントを意識して、実際にグループワークに挑戦してみましょう。
恐れずに発言しよう
もし発言を一度もしなければ、そもそも選考の評価対象にすら入ることができません。与えられたワークのテーマが難しい場合は、他者の意見に付随させてみましょう。
「〇〇さんのアイデアはいいと思います。」
「私はーーは違うと思いますがどうですか?」
というように、他の人の発言に対して賛成・反対をすることで立派な発言になります。
また、グループワークの場に慣れておくだけでも発言がしやすくなります。発言が苦手という人は、大学のキャリアセンターやインターネットで募集している練習会に参加して回数をこなしましょう。
大事なのは結果ではない
冒頭でもお話した通り、グループワークでは結果だけが評価の対象というわけではありません。グループ全員でその結論に着くまでどのように協力し合ったか、その過程こそが大切な評価対象になるのです。
例えばゲーム型のグループワークでは、
勝ち=合格
負け=不合格
と考えてしまってはいけません。
例えゲームには負けてしまっても、そのゲームに取り組む姿勢が評価されれば十分合格することが可能です。結果に囚われすぎず、過程を大事にすることを意識しましょう。
また、ワーク中の姿勢も手を抜いてはいけません。いくら良い意見を出していても、ワーク中に肘をついたり足を組んだりしていれば評価はマイナスになってしまうので注意しましょう。
「グループ」であることを忘れない
グループワークは、あくまで仲間と協力して結果を出すワークです。つい目立とうとして自己中心的に発言してしまう就活生もいますが、逆効果になってしまいます。
「グループみんなでいい結果を出し、グループみんなで選考を突破する」という気持ちで取り組みましょう。そうすれば、仲間と協力する姿勢が評価され、選考突破に一歩近づけるはずです。
まとめ
いかがでしたか?
グループワークの3タイプを知ったことで、グループワークを一度もやったことがない方も少しずつグループワークについて理解できたのではないでしょうか。また、グループワークで何らかの役割をすることは、必ずしも有利ではないとわかって驚いた方もいると思います。
役割には責任が伴い、失敗してしまうこともあります。まずは積極的にワークで意見を言えるようになることを意識しましょう。
この記事を読んで、「私も練習すればグループワークの選考で通るかもしれない」と思っていただけると嬉しいです。
グループワークは、どんなに苦手な人でも回数をこなせば必ず苦手意識を払拭することができます。
最近ではZOOMなどを用いて、オンライン上でグループワークの練習会をおこなっているところもあります。場数を踏んでおくためにも、一度は練習に参加してみましょう。
今回ご紹介した評価ポイントや選考突破方法を意識して、実際にグループワークにチャレンジしてみてくださいね!
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