親の言うことを素直に聞いていたら、親のことが嫌いになりかけた。

先日、「オヤカク」という言葉をわたしは初めて耳にした。

 

オヤカクとは、「親の確認をとること」。両親の反対による内定辞退を防ぐために、内定承諾書と一緒に親の承諾書も提出するらしい。

 

オヤカクという言葉そのものは初めて聞いたものの、就活と親に関する問題はわたしが就活生のときからあった。親から大手に進めと言われるなんていう話は珍しくない。わたしの会社には「内定承諾書を親に破られた人」もいる。

 

良くも悪くも、子供の進路には親が関わってくる場合が多いのだ。

 

幸いなことに、わたしは就活に関して、両親から干渉されることはなかった。「〇〇っていう会社から内定をもらったよ」とだけ伝えたときには、「大変そうだけど、頑張ってね」と言われた程度。

 

そんなわたしも、親の言うことを素直に聞く「いい子ちゃん」だったせいで、苦しかった経験がある。

 

 

高校時代、わたしは上京することに憧れていた。

 

「国公立大学なら学費も安いから、ひとり暮らしをしてもいい」と言われたわたしは、なんとか都内の国立大学に滑り込むために、高校1年生のときから必死で勉強していた。

 

しかし、思うように成績は伸びない。

 

返ってくる模試の判定はすべて「E」。受験が近づくにつれて模試の結果が怖くなり、勉強をするのも辛くなった。

 

「早稲田や慶應に、志望校を変えちゃだめ?」

「模試の結果見てたら、MARCHなら合格できそうなんだけど...」

 

志望先を私立大学に変えてもいいか、何度か交渉したが、「上京したいなら国立大」の一点張り。結局、早稲田も慶應も、受験させてもらえなかった。

 

入りたかった国立大も落ちたので、なんとか滑りこめた私立大学に入学することになったのだが、わたしは入学してからずっと、ずっと辛かった。

 

学部の友人は指定校推薦で入学した子ばかり。「一般受験で入学した」というだけで一目置かれてしまうような環境だった。

 

さらに、わたしが受験させてもらえなかった私立大学の学生から「頭の悪い大学の子でしょ笑」と言われたこともある。「わたしの3年間の努力はなんだったんだろう」と、大学の寮に帰ってひとりの部屋で泣いた。

 

 

 

受験は、間違いなくわたしの実力不足で失敗した。親のせいでもなんでもない。

 

なのにわたしは、

「親が私立文系でもいいよと言ってくれたら、早慶(早稲田や慶應)くらい受かったのに」

「あれだけ頑張ったんだから、1年くらい浪人させて欲しかった。」

と、ずっと親を恨んでいた。

 

でも、本当は、私の熱意が足りなかったのだ。

もっと本気で志望校を変えたいと伝えていれば、お金が問題なら自分でアルバイトして返すと言っていれば、親は私立受験も浪人も許してくれたかもしれない。

 

どこの大学に行ったかで、人生が決まることはほとんどない。わたしの場合、大学生活で忙しくしているうちに親への恨みもどこかに消えていた。

 

しかし、就活はまた別である。

新卒で入社する会社で人生が決まることはなくても、「人生が大きく左右される」ことは間違いない。

 

自分の思いをろくに伝えもせず、親のいう通りにしても、親はあなたの人生の責任はとってくれない。

 

「あのとき、親の反対を押し切って、あの企業を選んでおけば...」と思っても、もう後の祭りだ。どうしようもない。

 

小さな企業を選ぶのも、年収の低い企業に入社するのも、決して親不孝ではない。大学を卒業してフリーターの道を選ぶのも、就職浪人をするのも、自分でちゃんと覚悟を持って選んだことなら、親不孝なわけないじゃないか。

 

親とあなたにとって最も不幸なのは、何かがうまくいかなかったときの責任を心のどこかで親に押し付けしまうこと。

 

就活中の、親からの干渉に悩む学生は多い。だがその中には、最後まで親と向き合い、選択の責任を自分でとっている人もいる。

 

あなたの選択は、あなた自身の責任だ。今は親の言葉を無視してでも自分に責任を持つことが、あなたにとっても、親にとっても良いことかもしれない。

 

そして、あなたが諦めずに「自分のやりたいこと」に向き合って、思いをしっかり伝えれば、あなたの親はきっとあなたのやりたいことを応援してくれるはず。

 

就活は、親を満足させるためのものではない。けれど、親はあなたの敵でもない。元来、あなたの親はあなたの1番の味方であるはずだ。

 

親からも応援されうる社会人になれるよう、就職活動を頑張っていってほしい。

おすすめの記事